電事連会長の辞任を発表した中部電力社長の林欣吾氏 Photo by Fumiya Suzuki
中部電力の一連の不祥事を発端に、同社社長の林欣吾氏が、大手電力会社で構成される電気事業連合会(電事連)の会長職を辞任した。後任は現時点で未定とされているが、水面下ではすでに次期会長候補は1人に絞られている。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、次期会長の最有力候補を明かし、その選定理由を掘り下げていく。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)
不祥事続発の電力業界
電事連で続く“苦肉の策”
「(中部電力原子力部門の)解体的再構築を進めなくてはいけない。これに専念するため、会長職を辞任する意思を伝え了承をいただいた」
2026年1月16日、中部電力社長の林欣吾氏は電気事業連合会(電事連)の定例会見で会長辞任を表明し、深々と頭を下げた。
中部電は静岡県の浜岡原子力発電所を巡り、取引先に対する工事費用の未精算、さらには地震動のデータ不正という二つの不祥事を、25年11月と26年1月と立て続けに公表。業界を揺るがす深刻な事態への対応を優先せざるを得ず、林氏は26年3月までの通常任期を待たずして、会長職を辞することとなった。
次期会長が決定するまでは3人の副会長(北陸電力の松田光司社長、関西電力の森望社長、関西電力の安藤康志執行役常務待遇)がその穴を埋めるが、いつまでも空席にしておくわけにはいかない。
林氏は1月16日の会見で、「任期に関係なくできるだけ早く決める」と述べ、後任の選定を年度内にも完了させる意向を示している。
しかし、近年の電事連の会長人事を振り返ると、“苦肉の策”が続いているのが実情だ。
次ページでは、今回もまた「消去法」と言わざるを得ない状況下で浮上した最有力候補の実名を明かし、業界の反応をレポートする。







