円安が進むほど増益になり、株価上昇も期待できる「円安増益株」ベスト10を大公開! 海外売上高の比率が年々上がり続けている日本企業だが、業績予想を出す際に、想定為替レートを保守的(円高寄り)に設定する企業はとても多い。つまり、これらの企業では実際の為替レートが想定レートよりも円安になれば、予想より大きく上ブレた業績になる可能性が高いのだ。
そこで今回は、現在発売中のダイヤモンド・ザイの特集「短期と長期で狙う割安株ランキング」から、円安が進むほど増益になり、株価上昇が期待できる「円安増益株」ベスト40を公開! さらに、投資のプロがおすすめする狙い目の銘柄を3つ紹介しよう!
ドル/円為替相場の想定が、
保守的な株は業績上ブレの期待が大きい!
日本企業の海外売上高比率は年々上がり続けている。そのため円安が進めば進むほど、外貨で稼いだ分の為替差益が膨らみ、企業収益は拡大する。
「ところが日本では業績予想を出す際に、海外での収益予想の計算根拠となる想定為替レートを保守的に設定する企業が多い」(UBS証券の居林通さん)
実際、前期末の為替レートが1ドル=115円なら105~110円、110円なら100~105円を業績の計算に用いる想定為替レートとしている企業が多い。
円安がメリットになる企業の中でも、特に為替の利益寄与度が大きな企業をランキングしたのが下の表だ。自動車、電子部品、素材など製造業が多いことがわかる。
企業の業績予想は、下方修正を避けるため不測の事態に備えてなるべく保守的な数字を出すのが一般的。逆に言うと、実際の為替レートが想定レートよりも円安となれば、予想から大きく上ブレした好業績が発表される可能性が高まるのだ。
狙い目は「1ドル=110円以下」想定の銘柄!
円安効果に加えて本業好調株を選べ!
「最近はフェアディスクロージャールール(公平・公正な情報開示ルール)の徹底などもあって、業績に関する事前情報が出にくくなっています。その結果、本決算発表時に思わぬ好業績が発表されるというサプライズで、株価が大きく上がることも」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾さん)
そうしたサプライズが期待できる銘柄を選ぶ秘訣について、井出さんは「5月ごろに2017年3月期決算を発表する企業であれば、想定為替レートが1ドル=110円以下で、増益率がアップする銘柄が狙い目」と言う。
円安メリット株の中で、最も注目なのが円安増益株ランキング29位の「アルプス電気(6770)」だ。これまでは中国製スマホ向けの供給が好調だったが、来期はアップル向けの供給が期待できる。しかもアップルは年内に10周年モデルとなる「iPhone8」を発売する予定で、関連銘柄として人気化する可能性を秘めている。為替次第では減益予想から増益に転じる可能性も。
また、農林業などの屋外作業機械で国内トップの「やまびこ(6250)」は新製品が好調なうえ、現在、刈払機やチェンソーなどの販売で北米、中国、欧州を中心に海外販売売上げが伸びており、業績の安定性は高い。今期は、原価率の低下などで過去最高益を見込む。
さらに、「浜松ホトニクス(6965)」は、医療分野での実績も高く、安定した収益が期待できるのが強みだ。確かな技術力に裏打ちされた高付加価値製品が国内外から人気で、同社製品は研究・産業・医療用と多岐に渡っている。為替予想が1ドル=100円と保守的で、利益は上ブレへ。IoT分野での新需要獲得にも期待できる。
※銘柄選定は小林大純さん(フィスコ)、岡村友哉さん、西村公佑さん(クォンツ・リサーチ)
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