地政学リスクの低下を主因に、ゴールデンウィーク中の東京株式市場は堅調に推移しています。
日経平均株価は4月17日に年初来安値1万8224.68円を付けた後、大幅に切り返しました。また、東証マザーズ指数も4月13日の962.14ポイントを安値にリバウンドをしました。
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テクニカル的には、5月1日の日経平均株価終値は1万9310.52円と、25日移動平均線(1日現在1万8817.24円)、75日移動平均線(同1万9097.68円)、13週移動平均線(同1万9137.88円)、26週移動平均線(同1万9005.64円)など重要な移動平均線を上回っています。つまり、短期・中期のテクニカルが良好です。
また、5月1日の東証マザーズ指数終値は1034.11ポイントと、25日移動平均線(同1021.80ポイント)、75日移動平均線(同1024.35ポイント)、13週移動平均線(同1033.01ポイント)、26週移動平均線(同980.78ポイント)など、こちらも重要な移動平均線を上回っています。よって、日経平均株価と同様に、短期・中期のテクニカルが良好です。
つまり、大型株、小型株共に、上がり易く下がり難い状況といえます。
GW明けは決算発表ラッシュ!
決算銘柄はいったん売却しておくのがおすすめ
ゴールデンウィーク明けの5月8日から、3月決算企業を中心に、決算発表がピークを迎えます。5月8日は96件、9日は243件、10日は329件、11日は389件、12日はピークで1000件、翌週の15日に376件が予定されています。
多くのリスク回避的な投資家は、決算銘柄を持ち越さず、決算発表前にいったん売却し、決算通過後、買い戻すか、売り切ったままにするかを判断します。
私は、よほど発表される決算及びガイダンスに確固たる自信がない限り、決算日をまたいでの持ち越しはしない方がいいと考えています。なぜなら、想定外のビッグサプライズがない限り、決算発表後の株価は、「好材料出尽くし」または「失望売り」で売り叩かれることが、経験則上多いと判断しているからです。
特に、期初の会社側のガイダンスは、経営サイドが下方修リスクを恐れるあまり、極めて保守的な業績予想を出してくる傾向があるので、「失望売り」で売り叩かれるリスクが高いとみています。経営サイドからすれば、「下方修正」は生き恥を晒すようなものなので、彼らが期初段階で、コンサバな見通しを出すことは責められないでしょう。
投資家サイドからすれば、期初段階から達成できそうない過大な目標を掲げ、その後、恥も外聞もなく、下方修正を繰り返す経営者よりは、手堅い予想を出してくれる方が1000倍マシです。まあ、それはともかく、賢明な投資家であるあなたは、可能な限り、決算リスクを抑えた運用を心掛けましょう。
北朝鮮問題は依然として流動的
最悪のケースも想定して情報収集を
ところで、4月の日本株下落の主因になった、北朝鮮問題ですが、問題自体が大きく改善したわけではなく、米朝間は緊張状態であり、地政学リスクは依然として残っています。しかし、短期的な武力衝突のリスクはいったん低下しています。
確かに、北朝鮮は未だにミサイル発射実験を継続し挑発行為を繰り返しています。しかし、トランプ大統領は5月1日、米ブルームバーグテレビとのインタビューで、北朝鮮問題を巡り「適切であれば喜んで金正恩委員長と会う」と話しました。このように、米国が武力行使よりも平和的な話し合いに応じる姿勢を示している間は、北朝鮮問題は東京株式市場の悪材料にはならないでしょう。
もちろん、米国が先制攻撃したら、ソウルが砲撃を受け、金王朝崩壊で北朝鮮が民主化するリスクが高いので、韓国と中国の反対を押し切ってまで米国が武力行使を行うシナリオは、そう簡単には実現しません。
ただし、この手の問題は、ある日突然悪化するリスクはあります。このため、投資家は常に最悪のことが発生することも念頭に投資をするべきです。
つまり、北朝鮮情勢関連のニュースを引き続きウオッチし、武力衝突のリスクが高くなったと思ったら、すぐに持ち株を売却し現金化する心構えだけはしておきましょう。例えば、万が一、在韓米軍基地に住む家族などを脱出させる兆候が出たら、すぐに株を売らないとヤバイですね。
イベントを無事に通過すれば、日本株の視界は良好に
今の2大テーマは「ゲーム」と「アマゾン」
北朝鮮問題に加え、5月7日のフランス大統領選決選投票、9日投開票の韓国大統領選挙、そして、わが国決算発表を無事に通過すれば、日本株の視界は良好になります。よって、決算発表が終わった銘柄から徐々にガイダンスを評価する動きが強まり、好業績銘柄が買われ、株価指数を押し上げる展開が見込まれます。
ちなみに、足元の株式市場で、デイトレーダーやスイングトレーダーなどの短期筋の間で、人気化している2大テーマは「ゲーム」、「アマゾン」です。具体的には以下の銘柄群が賑わっていますので、ここで軽くご紹介しておきます。
■ゲーム関連
サイバーステップ(3810)
100万ダウンロードを超える人気クレーンゲームアプリ「トレバ」の、大規模な増床と増台の実施を発表。その第一弾として、2017年夏に新規に200台の「トレバ」専用の筐体を増やし、サービスを開始する予定としている。「トレバ」は、2010年11月からサイバーステップが提供している世界初のクレーンゲームの遠隔操作サービス。この大規模増床及び増台を実施による2018年5月期以降の業績本格寄与に期待したい。
⇒サイバーステップ(3810)の最新株価はこちら!
アカツキ(3932)
ブシロードと共同開発している新作スマホ向けゲームアプリ「新テニスの王子様 RisingBeat」のティザーサイトを公開した。「新テニスの王子様RisingBeat」は、テニプリゲーム史上初のキャラクターソングを用いたリズムアクションゲーム。既存作である「ドラゴンボールZドッカンバトル」が国内外累計で1億ダウンロードに達するなど、既存作が順調な点も評価材料だ。
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ドリコム(3793)
4月20日、2017年3月期通期連結業績の上方修正を発表。修正の理由は、「ダービースタリオン マスターズ」が大ヒットしたこと。現在は人気コンテンツ「みんなのゴルフ」のスマホ版を開発中。2018年3月期中には6本~7本の新規ゲームのリリースを目指すなど、IP(知的財産)戦略を通じて、ソーシャルゲーム事業のさらなる拡大を狙っている。楽天向けに第三者割当増資を実施し財務基盤が強化されたことで、積極的な開発・広告を行うことが可能になった点が魅力だ。
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enish(3667)
中国の上海に本社を置くOPD2C社と独占的ライセンス契約を締結し、累計200万ダウンロードを突破した人気タイトル「12オーディンズ」の中国配信を決定。今後、中国・台湾・香港・マカオと海外展開が期待される。なお、情報の出所・真偽のほどは不明だが、市場の一部では、「欅のキセキの商標出願」「女性 アイドルグループに詳しいライター募集」を根拠に、秋元康氏の関連銘柄と観測されているもよう。
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アエリア(3758)
2017年1月にサービス開始したスマホ向けゲーム「A3!(エースリー)」が、4月12日時点で300万ダウンロードを突破。「A3!」は、プレイヤーが劇団の主宰兼「総監督」になり、イケメン劇団員たちをキャスティングして青春ストーリーが楽しめるイケメン役者育成ゲーム。なお、同社は4月28日、女性向け恋愛SLGを提供するアリスマティックを買収するなど、女性向けコンテンツを拡充している点も魅力だ。
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■アマゾン関連
ファイズ(9325)
荷物の急増と人手不足が物流業界で問題化している状況下、アマゾンジャパンが自社の物流網を使って商品を効率的に配送する仕組みを導入すると報じられた。ファイズは、アマゾンジャパンから商品配送業務を請け負っており、2016年3月期の売上高に占めるアマゾンジャパンの比率は69%に達する。同社は3月15日に新規上場した企業で、株価は現在上場来高値圏にある。いわゆる「青天井相場」入りしており、好需給が魅力だ。
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遠州トラック(9057)
遠州トラックは、アマゾン幹線輸送を受注している企業。アマゾンジャパンは、生鮮食品の販売・配送サービス「アマゾンフレッシュ」を開始。また、ココカラファイン、マツモトキヨシ、三越日本橋本店と組み、各社の店舗にある商品を販売・配送するサービスも始めた。アマゾン関連として人気化し4月21日に上場来高値の1877円を付けた。その後も、高値圏で推移しており、株式需給は良好と考える。運輸大手の相次ぐ値上げが、同社を含む業界の採算改善期待が持てる状況もポジティブ材料だ。
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