サウジアラビアとロシアが5月15日に協調減産の延長で合意し、OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟国が、25日に開く総会で減産期限を9カ月延長する見通しとなりました。その結果、原油先物相場が上昇したことで、世界的な株高が実現しています。
例えば、5月15日のFTSE100種総合株価指数は8日続伸し、前週末比18.98ポイント高の7454.37ポイントと、最高値更新しました。
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また、5月15日のDAX30指数終値は、前週末比36.63ポイント高の1万2807.044ポイントと、こちらも前週末に付けた最高値を更新しました。
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そして、5月15日のナスダック総合指数は続伸し、前週末比28.442ポイント高の6149.674ポイント、S&P500指数は3日ぶりに反発し、前週末比11.42ポイント高の2402.32ポイントと、ともに史上最高値を更新しました。
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好調な日経平均株価は
上値は重いものの下がりにくい状況
このような世界的な株高の影響は、日本株にもポジティブに作用するはずです。
確かに、ドル/円相場がなかなか円安に大きく振れないため、日経平均株価は2万円大台を前に足踏みし、上値は重い状況が続いています。しかしながら、単純比較はできないとはいえ、5月15日時点の日経平均株価の予想PERは14.94倍と、同じく15日時点のNYダウのPER20.46倍と比べて、割安ですし、出遅れ感があります。
当面の日本株に関しては、需給要因では「外国人投資が買う限り」上がり易く、バリュエーション面では「企業業績が好調なため」下値を売り叩く理由は乏しく、下がり難いとみています。
具体的には、投資部門別株式売買動向によれば、外国人投資家は5月第1週まで5週連続で買い越しました。5週の買越額は合計で約9100億円に達しています。
また、日経新聞社の集計によれば、5月12日までに決算発表した1332社(金融など除く)の18年3月期の純利益は前期比4%増の21兆8196億円になる見通しで、6割強の企業で最終損益が改善し、18年3月期の連結純利益は2年連続で過去最高を更新する見通しです。
テクニカル的にも、5月15日の日経平均株価終値は1万9869.85円と、25日移動平均線(15日現在1万9047.33円)、75日移動平均線(同1万9179.12円)、13週移動平均線(同19235.99円)、そして、26週移動平均線(同19180.51円)といった重要な移動平均線を全て上回っています。
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つまり、ここ最近まで日本株を買った投資家は総じて含み益状態になっており、多くの投資家の手の内、マインドは極めて良好といえるでしょう。現在は需給的に、「買い方有利+売り方不利」の状況であり、この傾向は少なくとも、日経平均株価が25日移動平均線を割り込むまで続く可能性が高いとみています。
投資環境は良好ながら、
個人投資家の懐はいまだ冷え込んだまま?
このように日経平均構成銘柄など、大型株への投資環境は良好です。多くの個人投資家は損をせず、儲かっていることでしょう。しかし、個人がウハウハかというと、そうでもなさそうです。最大の理由は、物色の柱になるようなテーマが見当たらないためです。
確かに、ゲーム関連、アマゾン関連、サイバーテロ関連、防衛関連、ビットコイン関連など、足元人気化しているテーマはあるにはありました。しかし、そのスケールは小さく、とても活況とは言い難い規模の盛り上がりです。実際、私の運営するカブ知恵のサイトのテーマ株リストへのアクセスも、低迷したままです。つまり、現在は柱となるテーマ不在の相場です。
また、東証マザーズ市場の売買代金も1000億円は超えてはいるものの、低位安定しています。マザーズの売買代金は、ゴールデン・ウィーク明け5月8日が1181億円、9日が1453億円となったものの、10日は1096億円、11日は1006億円、12日は1033億円、そして、15日は1101億円という低水準で安定的に推移しています。
このようにボリューム面での盛り上がりに欠けるため、信用取引等を活用して短期売買を好む「アクティブ個人」の体感温度は、それほど上昇していないと推察されます。
ただし、5月15日のマザーズ指数は前日比3.47ポイント高の1063.90ポイントと、3月13日の年初来高値の1097.78ポイントを下回っているとはいえ、1月4日の年初来安値の949.51ポイントを大幅に上回っています。
だから、多くの個人は決して「儲かっていないわけではない」でしょう。しかし、「爆発的には儲かっていない……」、そんな感じなのです。まあ、それでも、北朝鮮リスクで下落基調だった4月11~14日頃と比べると、今は「天国」といえます。
こんな状況で、対面営業の営業マンへのヒアリングベースでは、「正直、日本株で儲かっている顧客はほとんどいない。もちろん、最近買ったものは多少益は出ているけど、昔から持っている銘柄については、ようやく買い値に戻った程度で、多くは未だ含み損状態。さすがに4月よりは良くなったけど、お客さんの活性は低いまま。逆に、エヌビディア、アルファベットなど米株を買ったお客さんはウハウハ。値上がりと為替のダブルで取れていますから」というものでした。
このように日経平均株価が2万円付近まで戻した今でも、現場の証券マンは、日本株投資には依然として白けた感じです。
今の白けた状況をみる限り
相場の天井はまだまだ遠い
なお、私はこんな白けた感じで相場が天井を打つとは思えません。やはり、最終的には、多くの投資家の活性度が上がり、相場が活況を呈し、多くの投資家が強気になった状態で、天井を打つはずです。
日経平均株価の年初来安値は4月17日の1万822468円です。そこから、それなりの値幅戻しましたが、現在の相場の雰囲気は、天井形成時のそれには明らかに程遠いと感じます。よって、相場のピークアウトは、時間的にまだまだ先で、株価指数等の上値余地も大きく残っているように感じます。
以上のことから、皆が強気になるまでは、あなたは日本株に対して「強気」を維持するべきです。好業績・高い業績変化率の小型のテーマ株を丹念に拾い、強いグリップ力で握り続け、値幅効果を狙うべきだと思います。
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