米株安でも、4月9日の日経平均株価は、前週末比110.74円高と非常に底堅く、強い値動きでした。
ちなみに、4月6日のNYダウは、前日比572.46ドル安の23932.76ドルでした。トランプ米大統領が「中国への制裁関税を1000億ドル積み増すことを検討する」と発表し、中国商務省の報道官が6日、「中国は最後まで付き合う。必ず反撃する」などとする声明を発表したことに加え、ムニューシン米財務長官が6日午後、「貿易戦争になる可能性はある」と述べたことが嫌気された結果です。
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この4月6日のNYダウの下落を受け、7日の大阪ナイトセッションの日経平均先物は前日比230円安の2万1410円でした。
寄り付き前は、週明け4月9日の日経平均株価がNYダウの大幅下落を受け、この2万1410円にサヤ寄せして開始し、終日売り優勢になることを覚悟していました。しかし、実際の日経平均株価は2万1534.33円で寄り付いた後、2万1517.77円を安値に下げ渋り、結局、2万1678.26円で取引を終えたのです。9日の値動きをみる限り、日本株は、外部環境の悪材料に対して鈍感になったし、下値が限定的な底堅い状況になった、そんな感じがします。
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海外勢の日本株売り圧力が弱まる中、新年度入りした国内機関投資家の買い圧力が勝っているのかもしれません。
海外投資家は12週ぶりに買い越したが
上昇トレンドへの回帰はまだ遠い
海外勢の売買動向に関しては、3月第4週(26日~30日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家が12週ぶりに買い越しました。買い越し額はわずか48億円ですが、買い転換したことは意義深いことです。
もちろん、3月第4週(26~30日)の日経平均先物とTOPIX先物を合算した売り越しは1兆89億円と、2週ぶりに海外勢は売り越しに転じましたが、この売りの主たる要因は、期末を控えた持ち高の移管に伴う売りとみられるため、それほど気にする必要はないと考えます。
一方、国内勢の動向としては、例年、新年度入りする4月には新規の資金配分を受けた日本の機関投資家が買いを入れるケースが多いとされています。
ですが、ここから日本株がすんなり上昇トレンドに回帰して、1月23日の年初来高値の2万4129.34円を目指すかというと、さすがにそれは厳しいでしょう。当面の下値は4月3日の2万1056.02円で限定される一方で、上値も75日移動平均線(9日現在2万2337.24円)が戻り限界とみています。
日本市場が上昇トレンドに戻れない
3つの理由とは?
上昇トレンドに回帰出来ないと考える理由は3つ。(1)米中貿易摩擦の激化リスクが燻り続けていること、(2)安倍内閣支持率低下による国内政治リスクが高まっていること、(3)高水準の信用買い残が積み上がり、信用個人の手の内・マインドが悪化していること、です。
米中貿易摩擦に関しては、今後数ヶ月以上かけて両国が交渉する事案でしょう。両国の駆け引きは続き、時には過激な発言、声明が飛び交い市場を一喜一憂させることでしょう。ある程度、落とし所が見極められるまで、相場の撹乱要因であり続ける見通しです。
また、内閣支持率の低下で、重要法案の国会通過が見通せなくなり、アベノミクスの実現が不透明になっています。実は、これが日本株にとって最もネガティブな材料です。なんたって、「アベノミクス終了なら、日本株は“バルス”」ですから。
そして、3月30日時点の信用買い残は3兆5569億円と、3月23日時点に比べて1189億円減ったものの、高水準に積み上がったままです。一方、日経平均株価は底堅い動きになっているとはいえ、年初の高値からみれば安値水準で推移しています。
対面営業の証券マンや、投資顧問会社の役員など市場関係者へのヒアリングでも、景気のいい話は一切聞こえてきません。
日経平均株価が多少上がろうが、また、下がろうが、どっちに動いても個人投資家は無反応のようです。相場の先行きや保有する個別銘柄への相談・問い合わせの電話も、過去の推奨銘柄が下がったことへの苦情も、一切なく、終日、顧客からの電話がない。オフィスはシーンとしている。そんな感じなのでしょう。
ある証券マンによれば、「こちらから電話して営業すると、『電話してくるなよ!迷惑なんだよ!』という感じが一発でわかる声・話し方で対応される(ノД`)シクシク」とこぼしていました。
今は上級者しか参加していない難しい相場。
無理せず「買いタイミング」を待つのが正解
過度の下値不安は後退したものの、買えば誰でも儲かるという相場ではありません。現状、市場に参加している多くの人は、プロ、セミプロでしょう。多くの素人は1月下旬から3月までの相場急落で相当なダメージを受け、療養中か、退場したと思われます。正直、上級者しかいない相場にノコノコ参加したら、普通の個人は養分になるだけです。
つまり、今は、買いで儲けるには、非常に難易度の高い投資環境であることを認識しておくべきです。
とにかく、このような難易度が高くて、儲け難い相場では、「種銭を減らさない、溶かさない」ことを最優先しましょう。参加したい気持ちをグッとおさえて、オールキャッシュで買いタイミングを待つことを、私はオススメします。
しかし、どうしても参加したいのなら、通常の相場よりもロットを落として参加して、儲かっても大したことないけど、ヤラれても大したことにならように、慎重にトレードするべきだと思います。
まずは、4月下旬から本格化する主力企業の決算発表で、2019年3月期のガイダンスを見極めましょう。決算を無事通過したら、買える銘柄、売るべき銘柄がある程度決まります。
また、日経平均株価のバリュエーションもある程度確定します。決算発表が出揃う前の現在は、残念ながら視界不良ですが、出揃った後なら視界が開けてくる可能性があります。
「売るべし 買うべし 休むべし」という有名な相場格言があります。まさに今は、「休むべき相場環境」と言えるでしょう。
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