最下層からの成り上がり投資術!
2018年5月29日公開(2018年6月6日更新)
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藤井 英敏

米朝首脳会談の混乱などにより、日経平均の上昇が
ストップ! 当面は25日・75日の両移動平均線が
日経平均のレンジだが、下に抜けて暴落する可能性も

 日経平均株価は、5月21日の2万3050.39円でいったんピークアウトしました。主因は外部環境の悪化です。具体的には、米朝首脳会談の開催が流動的になったこと、イタリアの政治リスクが高まったことです。

 前回の当コラムで、「6月12日に予定する米朝首脳会談が本当に開催されるのか否か、事態はやや流動的です。万が一、これが開催されないということになると、国際情勢はもちろん、日本株にもネガティブな材料です」としましたが、トランプ米大統領は、5月24日、米朝首脳会談を中止すると発表しました。

 しかしながら、5月26日に南北首脳が急きょ再会談し、トランプ大統領が27日、米朝首脳会談の開催に向けて米朝の代表団が準備協議に臨んでいることを明らかにしました。このため、首脳会談の実現に向けて調整が進む見通しとなっています。

 一方、ユーロ圏で第3位の経済規模を持つイタリアでは、マッタレッラ大統領が5月28日にIMF元高官のカルロ・コッタレッリ氏へ組閣を委任したことを、議会第1党のポピュリズム政党「五つ星運動」のディ・マイオ氏が強く非難しているそうです。このため、今年の夏から秋にも再選挙が行われる可能性が指摘されています。

 これを受け、5月28日の海外外国為替市場では1ユーロ=126円台後半と、およそ11カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付ける場面がありました。

7週連続で日本株を買い越していた海外投資家も
先週は売り越しに転じた可能性が

 ところで、海外投資家の日本株の先物買いは継続しています。海外投資家は、5月第3週(14~18日)、日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は4545億円で、7週連続で買い越しました。

 しかしながら、第4週の日経平均株価の値動きをみる限り、第4週は8週ぶりに売り越しに転じた可能性が高そうです。

 日経平均株価が3月26日の2万0347.49円で底入れして、5月21日に2万3050.39円まで戻した原動力は、この海外勢の先物買いです。これが売り越しに転じるようだと、目先は「下方向」を意識せざるを得ません。

■日経平均株価チャート/日足・6カ月
日経平均株価チャート/日足・6カ月日経平均株価チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、テクニカル的には、日経平均株価の現物指数は、5月24日に25日移動平均線を下回ってしまいました。そして、28日まで3営業日連続で下回っています。今後は5日移動平均線(28日現在2万2603.79円)と25日移動平均線(同2万2541.39円)とのデッドクロス実現による、短期チャートの悪化が危惧される状況です。

 そうこう考えると、日経平均株価が25日移動平均線を下回っている間は、先物の買い建て玉や、昨年11月~12月の信用買い建玉の反対売買が相場を押し下げ続けるでしょう。そうなると、6月8日のメジャーSQに向けて、日経平均ボラティリティー・インデックスの上昇及び日経平均株価の下落を警戒しておく必要があります。

東証マザーズ指数も非常に弱いチャート形状で
信用個人の手の内は悪化

 一方、やや意外だったのですが、5月24日あたりから、それなりの件数の追証が出始めているとの観測が囁かれていました。

 その時点で、私はこの程度の相場の下げで追証が出るとは思えず、市場関係者に緊急ヒアリングしたところ、「一部の人気銘柄の急落を主因に、新興銘柄や材料株を中心に売り買いしている信用個人の手の内が急激に悪化している」とのことでした。また、対面営業の現場では、「11月に買い建てた玉の期日到来の伴う注文がたくさん出ている」との声もありました。

 なお、顧客サイドからすれば、6カ月間も買い建てていても、よくて小幅利食い、その多くは“チョイやられ”だそうです。このため、彼らは全然儲かっておらず、新たに株を買おうという意欲は全く盛り上がっていないそうです。

 信用個人の状況を如実に示しているのが、東証マザーズ指数の値動きでしょう。

 5月29日前場の東証マザーズ指数は、前日比23.92ポイント(2.07%)安の1133.79ポイントでした。75日移動平均線(29日前引け段階1175.81ポイント)、25日移動平均線(同1149.83ポイント)、5日移動平均線(同1157.54ポイント)全てを下回っています。

■東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月
東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月東証マザーズ指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、5月23日に1184.78ポイントまで上昇しましたが、終値は1170.74ポイントと、75日移動平均線(23日現在1182.61ポイント)に綺麗に撥ね返されました。残念ながら、非常に弱いチャート形状です。

 今後は、最低でも25日移動平均線を上回ってこないと、新興銘柄や材料株の投資環境が好転することはないでしょう。

 なお、これは日経平均株価にも当てはまることです。少なくとも25日移動平均線を上回ってこないと、地合いの好転はないと思います。

 現時点では、バリュエーション面や日銀のETF買いを考慮すると、調整による下落を警戒するといっても、大幅且つ急激な下落を意識する必要はないとはみています。それでも、75日移動平均線(28日現在2万1905.24円)あたりまでの下落は想定しています。

 よって、メジャーSQの6月8日までの日経平均株価のメインレンジは、75日移動平均線~25日移動平均線です。そして、万が一、下方向に抜けた場合は、日経平均ボラティリティー・インデックスの急騰と、日経平均株価のナイアガラ発生確度が上がるでしょう。

今年のように難しい相場が続く局面では
「無理をしない」ことが最も重要

 それにしても、日経平均株価が、3月26日の2万0347.49円で底入れして、5月21日に2万3050.39円まで戻す過程でも、投資家、証券会社、投資顧問会社など市場関係者から一切景気のいい話が聞こえてきませんでした。「先物だけ上がって、持ち株は上がらない、むしろ下がっている」とのボヤキばかりでした。

 そして、日経平均株価がピークアウトした今、聞こえてくるのは、「新興ドイヒ(T_T)」、「まだ売ってくるのかあ(T_T)」、「材料株死亡ですね〜」といったものばかりです。

 今年に入って、多くの個人は株式投資で全く儲かっていないなあというのが正直な感想です。もちろん、相場が上手な少数派は儲けているのでしょうが……。難易度の高い相場が最大の理由と考えます。

 兎に角、難易度が高い相場だなと、あなたが感じたなら決して無理をしないことです。有名な本の題名の「あせるな 相場は明日もある」を念じながら相場を見守りましょう。

 最悪なのは、難しい相場と認識しているのに、無謀にも儲けようと相場を張り、結果、自分の命の次に大事なお金を減らしてしまうことです。自分の実力と相場の難易度を見極めながら、是非、儲けてください。

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