個人投資家の相場の体感温度を示すとされる東証マザーズ指数ですが、8月6日は安値引けとなり、前週末比13.52ポイント(1.33%)安の1006.81ポイントでした。相変わらず、低迷を続け、再び、1000ポイントの攻防となっています。
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7月末で東証マザーズ指数に組み入れられた、マザーズ時価総額トップ(8月6日時点で6225.05億円)のメルカリ(4385)の株価が冴えないことも、主因のひとつではあります。しかしながら、東証マザーズ指数は2月~7月まで、月足で6連続の陰線です。時価総額上位の一部の銘柄が冴えないだけでなく、マザーズ上場銘柄が全般的に売られ続けていることは明白です。
市場関係者へのヒアリングベースでは、マザーズ銘柄など小型株をメインに保有している個人の評価損益状況は(当然のことながら)「酷い!」の一言だそうです。
ただ、投げ売りは7月5日に991.50ポイントを付ける過程で、一応、一巡したことは一巡したようです。そして、現在は、「完全に諦めている」、「保有株への興味を失っている」、「(評価損をみるだけ気分が悪いから)自分のポートフォリオをみないようにしている」個人が大多数のようです。だから、ドバっと投げ売りが出る状況ではないものの、買いが一向に入らず、小口の換金売りで「ジリジリ下がる」という陰湿な調整局面になっているのでしょう。
いよいよ決算発表シーズンの後半戦に突入!
決算リスクを回避したい人は13日まで待機
なお、足元では、4-6月期決算発表の後半戦です。マザーズ銘柄など小型株の多くは、後半戦に発表されます。ちなみに、決算発表スケジュールは、8月7日に213件、8日に235件、9日に361件、そして、10日の578件でピークアウトします。
このため、決算リスクを回避したい、「リスク回避型」の多くの個人投資家が、マザーズ銘柄を含む小型株投資を本格的にするとしたら、8月13日以降(つまり、お盆休みの週)ということになりそうです。現時点で、慌てて小型株を買う材料は見当たりませんが、決算内容が良好で高成長が期待できる銘柄については、13日以降は、(長い目でみて)仕込み場なるかもしれません。
ただし、私は一部の例外的な投資環境を除いて、基本的に「トレンドフォロー型の投資(順張り)」を行うことを、当コラムでお勧めしています。その観点から言えば、マザーズ銘柄については、東証マザーズ指数の週足にMACDがゴールデン・クロスして「底打ち」を明確にしてから、積極的に参加するべきと考えています。
8月6日時点のそれは、MACD(12週-26週)がマイナス39.90、シグナルがマイナス26.37です。これがゴールデン・クロスしたら、満を持して積極参加しましょう。それまでは、様子見を貫くか、デイトレ等に徹し、打診程度の参加にとどめておきましょう。
大型株は、米中貿易戦争の影響で
冴えない動きが続く
一方、主力の大型株ですが、こちらも、トランプ政権の保護主義的な通商政策を巡り、不透明感が強いため、冴えない動きが続いています。
波乱要因は、やはり中国です。8月6日の上海総合指数は前週末比35ポイント(1.3%)安の2705ポイントと、年初来安値を更新し、15~16年の「人民元ショック」の安値である2655ポイントに接近しています。
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中国政府が8月3日、米国からの約600億米ドル分の輸入品に追加関税をかける報復措置を発表したことを受け、投機筋による人民元安が進み、資本流出懸念が強まっているためです。この対応として、中国人民銀行(中央銀行)は、将来に元を売って外貨を買う為替予約を扱う銀行に、契約額の20%を「危険準備金」として預けるよう求めました。ですが、これで元安に歯止めがかかるか否かは不透明なため、上海株同様、当面は下落バイアスが掛かり続ける見通しです。
11月に中間選挙を控えたトランプ大統領は
支持率アップに全力投球
対外的に貿易戦争を積極的に仕掛けている米国では、11月の中間選挙が3カ月後に迫っています。米国民(特に共和党支持層)の支持の取り付けに全力投球のトランプ米大統領は、8月1日には2000億ドル分の中国製品を対象とした対中国制裁の第3弾に関し、追加する関税率の10%から25%への引き上げ検討を発表しています。制裁対象は第1~3弾を合わせて2500億ドルと、中国からの年間輸入総額の約5000億ドルの約50%に達しています。
また、日米両政府は、ワシントンでの閣僚級の貿易協議(FFR)の初会合を8月9日に開きます。ここでは、茂木敏充経済財政・再生相と、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とが通商問題を協議します。
ライトハイザー氏は、7月の議会公聴会でFTAの交渉入りに意欲を示しています。米国側は、FTA交渉で輸入牛肉の関税引き下げなどを要求する構想だそうです。今回の協議では、日米FTA交渉に加え、トランプ米大統領が検討する自動車関税の引き上げを回避できるかも重要なポイントです。
トランプ政権は、11月の中間選挙を控えて、目に見える成果を残したいと考えているはずで、ここでも強硬スタンスを貫く可能性が残ります。その一方、7月25日の米欧首脳会議のように、ひとまず貿易戦争回避への協議で決裂を免れるシナリオも十分あり得ます。ただし、株式市場は不透明感を嫌いますので、9日の会合の結果が、ある程度見えてくるまでは、日本株に関しては、買い手控えムードが続く見通しです。
最近の日経平均株価はボックス相場
「保ち合い」が離れたタイミングがチャンス!
日本は、8月11日から本格的なお盆休みとなり、国内の機関投資家の多くは休暇入りしますので、閑散夏枯れ相場は来週いっぱい続くかもしれません。また、海外勢もサマーバケーションを楽しんでいるでしょうから、本格的に市場が動き出すのは、米国のLabor Day(今年は9月3日)明けからということになりそうです。
ザックリ言えば、ここ最近の日経平均株価は2万1500~2万3000円のボックス相場です。そのボックスのレンジが足元で、徐々に狭まっており、煮詰まってきています。このため、早晩、この「保ち合い」を上下いずれかに「放れる」可能性があります。
よって、大型株に対する戦略としては、日経平均株価が「保ち合い」の間は手出しをせずに様子見、「放れた」ら、放れた方向につくということでよいでしょう。
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