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田中秀征 政権ウォッチ

鳩山首相「できる限り県外」発言は重大な変節

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第35回】 2010年5月27日
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「最低でも県外」から「できる限り県外」へ
巧妙に後退する首相の発言

 鳩山由紀夫首相は、5月23日、沖縄を訪れ仲井真弘多知事と会談し、こう話した。

 「私自身の『できる限り県外』という言葉を守らなかったこと、その過程の中で、県民に大変混乱を招いたことを心からおわびする」

 そして、「代替地は辺野古付近にお願いせざるを得ないとの結論に至った」と、政府案を知事・稲嶺進名護市長らに初めて表明した。

 この2度目の沖縄訪問の経緯や結果については多くの報道があるから言及しない。当然過ぎるほど当然な事態の展開だった。

 私が気がかりだったのは、首相の公約が巧妙に後退していることだ。

 首相は、普天間基地の移設先として『最低でも県外』と言っていたのであり、『できる限り県外』と言っていたのではない。

 例えば、一家の主人が家族旅行の行き先について、『最低でもハワイ』と言っていたとする。そうすると家族は、「ひょっとするとアメリカ、あるいはヨーロッパ」と夢をふくらませる。しかし、『最低でもハワイ』と思えば心がときめく。

 ところが、『できる限りハワイ』と言われれば、ヨーロッパなどは想定外になる。ハワイが『最高』の目標になってしまうからだ。

 要するに、『できる限りハワイ』ということは『最高ならハワイ』と言っているに等しい。『最低でもハワイ』とは全く意味が違ってくる。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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