最下層からの成り上がり投資術!
【第215回】 2016年6月7日公開(2016年6月27日更新)
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「最下層からの成り上がり投資術!」

著者・コラム紹介

最下層からの成り上がり投資術!

藤井英敏 ふじい・ひでとし

カブ知恵代表取締役。日興證券、フィスコ等を経て05年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「ザイ」をはじめ多方面に活躍中。

藤井 英敏

投資家には「がっかり」だった安倍首相の記者会見、
今秋に策定される経済対策の規模と内容次第では
11月8日の米大統領選までに株暴落の可能性も!

 「なんだそれ?」。これが1日の安倍首相の記者会見を聞いた、私の第一声です。

 消費増税先送りは織り込み済み。知りたかったのは、経済対策の規模と内容だったのに、それには一切触れませんでした。これでは、市場が失望するのは仕方ないですね。そして、翌2日午前の記者会見で、菅官房長官が、今秋策定する大型の経済対策の規模について「(現時点で)固めていない」と語りました。さらに、日銀の佐藤審議委員が2日の講演で2%の物価目標について「無理に達成する必要はない」と発言しました。

 これら一連の要人発言をみたり、聞いたりする限り、国内発の株高材料は出てきそうにありません。なぜなら、市場の期待する政策実行スピードに比較して、実際の当局の動きがメチャクチャ鈍いことが明確になったからです。

 その一方で、来年4月に予定していた消費増税の2年半延期を受け、来年以降の景気腰折れ懸念は大幅に低下しました。これは株式相場の下支え要因です。このため、当面の日本株に関しては、国内要因では「上がらないが、下がらない状況」になったといえるでしょう。具体的には、日経平均株価は5月2日の1万5975.47円~5月31日の1万7251.36円のレンジで当面は推移する可能性が高まったとみています。

日経平均株価チャート(日足・6カ月) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 ただし、当たり前の話ですが、株式に比べて現金の方が便利です。このため、株式相場が上がらないのなら、取り敢えず現金にしておこうというのが道理です。

 よって、あまりに上値が重いという認識が強まるようなら、別に悪材料が出なくても、換金売り圧力が強まり、日経平均株価は下がることになります。上がらないなら下がるのです。下がらないから上がるということは、あまりありません。その場合は、上がるという期待感(先高観)があるはずです。原則、お金は不便なものから便利なものに流れるからです。

しばらく日本の株式市場に新たな資金は流入しない
いまは「強い銘柄」を「デイトレ」するしかない

 その一方、国内要因は相場を上下させませんが、海外要因の影響は一段と増すでしょう。具体的には、ドル/円相場、米国株式市場、原油先物相場の影響です。

 当面の日経平均株価は今まで以上に、これら外部要因に振らされることになりそうです。ですが、政策発動期待が大幅に後退しているため、下方向に関しては相当脆い状況と認識しています。一方、上方向に関しては、余程の「ビッグ・ポジティブ・サプライズ」が起こらない限り、日経平均株価の上値は限定的とみておく必要がありますね。

 個人投資家にとっては儲かり難い相場、やり難い相場になったと思います。

 少なくとも、ゴールデン・ウィークまでは、日経平均株価は冴えなくても、マザーズなど新興市場銘柄を買っていれば儲かりました。しかし、ゴールデン・ウィーク明け後は、マザーズの人気銘柄が相次ぎ急落し、アクティブ個人の手の内、マインドは大幅に悪化し、足元で需給が劇的に悪化しています。

 最悪期は脱しつつありますが、JIG-SAW(3914)アキュセラ・インク(4589)ブランジスタ(6176)などの高値からの急落に加え、他の人気銘柄群の連れ安の影響は大きく、新興市場に関しても、当分は活況とは言い難い状況を覚悟しておくべきでしょう。

アキュセラ・インク(4589)株価チャート(15分足・10日) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 ただし、それは新興市場全体の話です。日経平均株価に代表される東証1部の主力株の上値が見込めないのなら、短期資金は新興市場に滞留します。ただし、新規マネーの流入は期待薄です。あくまでも、今流入している資金が「グルグル回る」。そんなイメージです。

 そしてその物色の様子は、小学生低学年がボールに集まってしまう「ダンゴサッカー」のような感じで、その日に強い銘柄に資金が集中する見通しです。そして、その物色傾向には一貫性はなく、基本「日替わり定食」でしょう。

 このような「新規の資金流入の見込めない相場」では、あなたは「スイングトレード」はいったん止めて、「デイトレ」に徹しましょう。また、「順張り」は止めて、「逆張り」に徹した方がよさそうです。ただし、弱い銘柄の「逆張り」はダメです。あくまでも、強い銘柄の「逆張り」です。強いという基準は、例えば、株価が5日移動平均線を上回っていることです。5日移動平均線を上回っている銘柄のみが、「デイトレ」対象になります。

 その銘柄が「押したら買って、噴いたら売る」、ただし「オーバーナイトはしない」というイメージです。

11月の米大統領選まで利上げはない!?
日本株は経済対策が明らかになってから買え

 ところで、5月の米雇用統計がまさかの悲惨な数字になりました。ベライゾン・コミュニケーションズのストライキに加え、製造業と建設業で雇用が大きく減少したことが響き、非農業部門雇用者数が3.8万人増と、2010年9月以来の5年8カ月ぶりの小幅な伸びとなり、事前予想の16.4万人増を大幅に下回りました。そして、3月と4月分は合計5.9万人下方修正されました。

 この衝撃的な雇用統計を受け、市場では、FRBは6月、7月は利上げを見送り、下手したら、11月の大統領選が終わるまでは利上げはないのではないかとの見方も浮上しています。

 大統領候補のドナルド・トランプ氏もヒラリー・クリントン氏も「ドル安」賛成のようですし、日本政府による為替介入も容認しそうもありません。さらに、「アベノミクス」による日本のデフレ脱却期待も大幅に低下しています。こうなると、ドル/円相場は円高定着です。参院選後、安倍政権が低迷する日本経済を再び成長軌道に乗せる努力を本気でしないと、今年の夏相場、秋相場は非常に厳しい投資環境になるでしょう。

 なお、現時点で一番怖いのは、秋に策定する経済対策の規模と内容が明らかになった直後から、米国の大統領選挙の11月8日前後までの期間ですね。

 現時点の各種報道をみる限り、新大統領が、共和党のドナルド・トランプ氏になろうが、民主党のヒラリー・クリントン氏になろうが、日本にとってはあまりよろしくない政策を打ち出してきそうです。そのため、9月~11月までは、日米共に「秋の暴落」の発生を危惧しています。よって、取り敢えず、「買い」で株式投資を楽しむのは、まずは「経済対策の規模と内容が明らかになる」までとしておきましょう。その後のことは、その時になってから考えたいと思います。
 

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