最下層からの成り上がり投資術!
【第224回】 2016年8月2日公開(2016年8月3日更新)
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「最下層からの成り上がり投資術!」

著者・コラム紹介

最下層からの成り上がり投資術!

藤井英敏 ふじい・ひでとし

カブ知恵代表取締役。日興證券、フィスコ等を経て05年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「ザイ」をはじめ多方面に活躍中。

藤井 英敏

日銀の追加緩和、ETFの年間6兆円買入れで
日経平均株価は「ボックス相場」到来の可能性大!
これからの株式投資で利益を稼ぐコツとは?

 7月29日の日銀の政策決定会合の結果発表前の日経平均先物9月物の乱高下は酷かったですね。

 結果が出ていない段階で、なぜだかわかりませんが買いが入り、12時16分にまず1万6600円くらいから1万5910円まで1分間程度で700円程度の急落をしたかと思えば、その直後から急速に買い戻され、今度は12時44分に1万6700円の高値を付けました。その後、再び売り直され、1万6100円台まで突っ込み・・・、またまた切り返し1万6400円台まで戻し、再び1万6200円台にまで売り直されたと思えば、大引けにかけ強力に買い戻され、結局、前日比200円高の1万6610円で取引を終えました。

 薄商いの中、逆指値を入れた投資家のオーダーと、アルゴリズムトレードの売買が激しく交錯した結果の乱高下だったようです。それにしても、ここまで激しく動かれると、上手く乗れれば最高ですが、往復ビンタを食らったら、たまったもんじゃないですよね。

日経平均株価チャート(日足・3カ月) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

米雇用統計発表前などイベント前はノーポジか両建てにすべき
個別銘柄も決算発表前に一旦売っておこう

 まあとにかく、あなたがリスク愛好家ならいいですが、そうではなく、リスク回避型の投資家なら英国の国民投票、日銀の金融政策決定会合、FOMC(連邦公開市場委員会)とか、米雇用統計発表などの相場変動が大きくなりそうなときは、ポジションをいつもより小さくするとか、両建てにして上に行っも下に行っても大丈夫なようにヘッジするとか、完全にノーポジにして様子見に徹するとかにするべきでしょう。もちろん、短期的な相場の先行きを読むことに自信があるなら、止めませんが・・・。

 これと同様に、個別銘柄の決算発表の持ち越しもお勧めしません。基本的に決算は良くても好材料出尽くしで売られ、悪ければとんでもない失望売りを浴びる可能性が高いからです。上方修正、大幅な業績上振れ、株式分割とかのサプライズはそうそうあるものではありません。

 そうこう考えると、あなたが保有銘柄の決算によほどの自信を持っていれば何も言いませんが、そうでなければ、決算後に買い戻すことを基本方針にいったん売却するとか、信用取引を活用して「つなぎ売り」をして決算リスクを回避する戦略も十分有効でしょう。

日銀のETFを年間6兆円買い入れはインパクト大
日本株は下がりにくくなったが上がりにくくもなった

 それはさておき、日銀は7月29日の金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)を、3兆3000億円から、年間6兆円ベースで、ほぼ倍増させるという、追加の金融緩和を決めました。マイナス金利は現在のマイナス0.1%を据え置き、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するように金融市場調節を行うことは維持しました。

 この年6兆円買いのインパクトは需給面で非常に大きいですね。正直、相場環境がどうであろうと、毎年6兆円も日本株を買ってくれて、当分の間、売らない買い主体が誕生したんですから。

 こうなると、市場の価格発見機能の機能不全や、企業統治の形骸化という副作用に目を瞑れば、投資家(特に買い方)にとってはポジティブな材料の出現です。また、マイナス金利を深掘りしなかったことで、銀行や保険会社への先行きの収益懸念が大幅に後退したことも投資家心理にプラスに作用したと思います。

 もちろん、日銀が相場を押し上げるようなETF買いをしてくるとは思いません。しかし、下がれば必ず買ってくるため、日本株はそう簡単に売り崩せなくなったことも事実です。

 その一方、下に行かないように人為的に相場が抑制されているため、作用反作用の関係で、上にも動き難くなったとみています。結果、日本株のボラティリティーは低下する、または、低位で推移する可能性が高そうです。

日本株は「ボックス相場」になる可能性が大
上昇トレンド銘柄の押し目買いを基本戦略にすべき

 このケースで、最も発生する可能性の高いと思われ相場が「ボックス相場」です。次に「緩やかな上昇相場」です。

 本来は「緩やかな上昇」も「緩やかな下落」も同じ程度の確率ですが、日銀によるETF買い効果(人為的な政策当局による株価介入効果)を考慮すると、下値が限定されるため、その次が「緩やかな下落相場」です。そして、最も低いと思われるのが、ボラティリティーが殺されているので「急騰」「急落」です。

「ボックス相場」での基本は「逆張り」です。株を漫然と持っていればガンガン評価益が膨らんでいく「上昇相場」でもなく、さりとて、株価が底なし沼に落ちたように下がっていく「下落相場」でもありません。よって、投資家サイドからすれば、「下がれば買い、上がれば売る。」これを淡々と繰り返すしかありません。

 当コラムで何度も繰り返していますが、基本的には、個別銘柄の空売りはお勧めしていません。なぜなら、損失無限・利益限定のポジションは可能な限り避けるべきと思っているからです。

 よって、「ボックス相場」では押し目買いが基本になります。だからといって、下げトレンドの銘柄の買いはあり得ません。あくまでも、上昇トレンドを描いている銘柄の押し目買いです。

「ボックス相場」は儲けにくい相場
こまめな利食いで利益を積み上げていこう

 具体的には、「25日移動平均線の上にいる銘柄の押し目買い」です。もちろん、25日移動平均線とのマイナス乖離の絶対値が異常に大きくなった銘柄の「突っ込み買い」という戦略も場合によってはあるですが、それはあくまでも例外的な売買タイミングであり、メインは「25日移動平均線の上にいる銘柄の押し目買い」です。そして、25日移動平均線を下回っている銘柄は保有し続けてはいけません。

 確かに、「急落相場」や「緩やかな下落相場」に比べれば、買い方にとって「ボックス相場」はマシです。しかし、「急騰相場」や「緩やかな上昇相場」に比べれば、非常に儲け難い相場です。また、逆張りは多くの投資家が非常に嫌と感じる場面で買わないとなりません。つまり、皆が売っているのに買い向かわないとならないのです。孤独感に打ち勝ち、これを実行するには、強い精神力が必要になります。「言うは易く行うは難し」ですね。

 また、「急騰相場」や「緩やかな上昇相場」と異なり、株式の保有時間が長ければ長いほど、保有株価の価値が上がる訳ではありません。このため、こまめな利食いが必要になります。

 例えば、「急騰相場」や「緩やかな上昇相場」なら1回のトレードで100万円利食いするのもありですが、「ボックス相場」では先述と同じロットのエントリーでも、1回のトレードで10万円~20万円の利食いで我慢して、数回のトレードで100万円を目指すという感じです。

 とにかく、ボックス相場では一回のトレードで爪を伸ばさないように心掛けるべきだと思います。

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