今回のタイトル「帰国子女の99%は不正確な発音で話している」を見て、「ウソでしょ!?」と驚いた人も多いはず。パーフェクトに聞こえる「ネイティブっぽい発音」も、実は本物のネイティブからすると「何を言っているのかよよくわからない」こともよくあるそうです。
第3回目の今日は、「英語圏で暮らせば、ネイティブ並の発音が身につく」というちまたで信じられている「非常識」について、『1年海外留学するよりも英語がうまくなる 完全独習英語発音トレーニング』の著者・竹内真生子さんに語っていただきます。
アメリカに9年いても「正しい発音」が身につかなかった女性
英語に関する日本人の「常識」は誤解に満ちています。
たとえば、「海外で生活すればネイティブのような発音が身につく」という常識。実は、これもウソなのです。みなさんのまわりにも、帰国子女と呼ばれる人や、高校生や大学生の頃に長期留学をしていたという人が、きっと1人か2人はいるでしょう。
帰国子女や長期留学経験者といえば、なんとなくパーフェクトな発音で話しているようなイメージがありますが、さにあらず。ほんの赤ちゃんの頃から長期にわたりネイティブのなかで生活しないかぎり、自然に正しい発音が身につくことはありません。たとえ「帰国子女」と呼ばれる人であっても、99%は不正確な発音で英語を話しています。
私が主催する教室に通ってくる生徒のなかに、こんな女性がいました。ご主人の海外赴任について9年間もアメリカで生活していたのに、「Sure.(もちろん)」の発音が[ʃʊɚ]だと気づかなかったというのです。彼女は9年のあいだずっと「シュア」と発音していました。当然、まわりのネイティブは彼女の英語をほとんど理解できなかったでしょう。
この女性のようなエピソードは、数えきれないほどあります。何年も海外に留学したり、外資系企業で働いていたりしても、正しい発音が身につかず、その結果、ネイティブから「何を言っているのかわからない」と指摘されて、発音のレッスンを受けることにした人は何人もいるのです。