1粒100円の梅干しに大行列!「とまと梅」の正体みなべ町では「梅干しおにぎりでギネス世界記録」を達成

「コンビニで圧倒的に人気があるのは『ツナマヨ』」(平さん)という、ゆゆしき事態を懸念して、まずは足元から固めるべく、町民自らが梅干しを消費し、全国に梅干しのよさをアピールしはじめた。

 条例を作ったからにはPRをしなければ。昨年は「梅干し入りおにぎりを握る」イベントを開催してギネスに挑戦。428人が成功して見事、世界記録も達成した。

 梅の健康効果に関してのPRにも余念がない。じつはみなべ町では、梅干しの健康効果に関する特許を2つも取得している。また、なんと町民の協力を仰ぎ、健康診断の際にアンケート調査の回答と血液データの提供を依頼。そのデータをもとに、梅の効能について科学的な裏付けまでとっているのだ。

 胃潰瘍、糖尿病、インフルエンザ、熱中症、疲労、生活習慣病などの改善を目指すために役立つといわれる、驚異的な梅パワーも積極的にアピールしている。

 しかし、梅干し消費拡大にはさらなる大きな課題があった。

若者に梅干しを食べさせろ!
女性、子どもに梅を売り込むマダム

1粒100円の梅干しに大行列!「とまと梅」の正体岩本食品の岩本智良さんと岩本恵子さん

 消費減少のなかで、とりわけ深刻なのが「若年層」の梅干し離れ。30歳未満の梅干し購入量は60歳以上の3分の1以下で、梅干しは「超高齢化食品」になっていたのだ。

 梅加工メーカーもこの事態に、アイデアを駆使して挑んでいた。みなべ町にある岩本食品取締役の岩本智良さんいわく、近年の梅干しリビーターは「主に70代、80代、90代」。先が思いやられるなか、「若い人にもっと親しんでもらえたら」と商品開発を重ねてきた。

 自社商品を販売する「ぷらむ工房本店」には、目を見張るほど多彩な梅加工商品が店内に並ぶ。

 王道の梅干しから、みかんと日向夏のピールを使った「みかん梅」や瓶詰タイプの梅干し、携帯用のポケット梅干しに、梅ドレッシングから、トウガラシとゆず、梅干しで作ったタバスコならぬ「スコウメ」などの調味料、梅シロップ、梅エキス青汁などのドリンク、うめ生マシュマロ、うめチーズケーキなどのスイーツ……。

1粒100円の梅干しに大行列!「とまと梅」の正体アサイーとマキベリーを使った梅干し「Ume Reborn」

「うちは対面販売が強み。お客さんと話をするなかでニーズを汲み取って、商品を作り上げてきたので……商品がめっちゃ多いんです」と岩本さん。

「若い人に梅干しの良さを知ってもらうべく、食べやすく、受け入れられるものを」と開発し続けてきたゆえである。消費のカギを握る若い女性に梅干しを訴求するなら、重要なのは「美容効果」である。

 いま、イチオシの商品は「Ume Reborn(ウメリボン)」。美容に絶大な効果があると注目のアサイーとマキベリー、ワインビネガー、希少糖を使って漬け込んだ「ビューティーサプリ」並みの「食べるコスメ梅干し」である。価格は3粒で税込1620円! しかし、メディアにも取り上げられ、美に意識の高い女性に人気を博しているという。