“率直な意見が、日本で嫌われる理由”
MBAで学んだ世界の商習慣
率直な意見が、
日本で嫌われる理由
つまり、相手にとって悩ましいことなどを率直に意見し過ぎるのは、日本では成果につながらないことが多いのだ。担当教授によるとその理由は、日本では他国よりも「意見と人格が同一視されがちだから」ということだった。
議論において意見の衝突や否定が続くとどうなるか。日本では意見を否定された人は、意見そのものだけではなく自らの人格を否定されたように感じ、相手を遠ざける。
立場が逆でも同じようなことが起こる。意見を否定した人は、その相手自体を遠ざけるようになる。このため、日本では一般的に率直な意見は好まれないし、成果につながりにくい。
もちろん、この比較は一概にいえるものではない。「国」ではなく、「人」によっても違うだろうし、細かく見ればおかしなところはある。
だが、ざっくり言ってしまえば、「日本的なコミュニケーション」においては、率直に意見を伝えることは好まれてこなかったのだ。
今の日本にこそ、
箇条書きが必要だ
率直な意見が成果を生み出さない社会において、箇条書きは場合によっては「伝わり過ぎ」る面がある。今まで日本では、箇条書きを使わないことが、ある程度は合理的だったのだ。
だが時代は変わった。これからの社会は情報過多の社会だ。
ビッグデータや人工知能という言葉が流行っているが、その前提には「情報量に対して人間の情報処理能力が足りていない」という時代の流れがある。ゆえに、それら大量の情報を処理する技術にスポットライトが当たり、また、人間ではなく機械が自ら学習して情報処理する技術が注目されるのである。
これは好き嫌いの問題ではなく、不可逆の現象だ。
このような情報過多の時代だから、情報を多く、つまり「長く伝える」ことの価値は減っている。
むしろ、「短く、魅力的に伝える」こと、つまり情報を選別し、少なくすることの価値が増えている。
さらに、グローバル化でいろいろな国の人とのコミュニケーション機会が増えているからか、日本人も議論で「意見」と「人格」を分けて考えられる人も増えているし、これからも増え続けるだろう。
伝える技術としての「箇条書き」は、これからの情報過多の時代において、最強のサバイバルスキルなのだ。
凡庸にして最強スキル、それが箇条書き
「今話したことを、箇条書きにしてもらえませんか?」
学生や若手ビジネスパーソンと話していると、「流れるように話すが、何を言いたいかがわからない」という場面に出くわす。
しかし冒頭の質問をすることで、「なぜ意味が理解できないか」を明らかにできる。結論、あるいは結論に至るまでの論理の曖昧さが、箇条書きにすると一目でわかるからだ。
箇条書きを見れば、その人の思考、そして伝える力のレベルがわかる。
私は米国のシリコンバレーで、そして外資系のコンサルタントとして、グローバルビジネスの第一線の人たちと仕事をしてきた。ビジネススクール、INSEADのMBAプログラムでは、世界60カ国から集まった次世代のリーダーたちと一緒に学んだ。
彼らに共通するのは、箇条書きが抜群に上手いということだ。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルだ。もちろん箇条書きという名称ではなく、世界的には「ブレットポイント(Bullet Points)」と呼ばれて使われている。
シリコンバレーで出会った起業家たちも、箇条書きを効果的に使う。プレゼンの最初と最後のページなど、鍵を握るところでだ。世界一ともいえるシリコンバレーの激しい時間競争の中で、目的や結論を短く、かつ魅力的に一瞬で伝え、投資家や従業員を動かしていた。
日本企業のビジネスパーソンが、目的や結論のわからないプレゼンを長々とし、相手に無視され、せっかくのチャンスを逃していたのとは対照的だった。
プレゼンというと、カラフルな図やグラフが並ぶものとイメージしている人も多いだろう。しかしプレゼンに限らず、人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ。その言葉を短く、魅力的にまとめた「箇条書き」がプレゼンの成否を握るのだ。
世界の最前線では、「短く、魅力的に伝える」ツールとして箇条書きが選ばれ、そして使われている。プレゼンに限らない。企画書・報告書づくり、メール作成、議事メモ、会議のファシリテーションなど、「短く、魅力的に伝える」箇条書きは、あらゆるビジネスシーンで使われている。
そこには共通の技術がある。わずか数行の箇条書きであっても、繊細で精巧な工夫が必要なのだ。
短く、魅力的に伝える箇条書き。そして人を動かす箇条書き。それらを『超・箇条書き』と呼ぶこととする。本書はそのエッセンスを伝えることが目的だ。
「たかが箇条書き」と、箇条書きを笑う者は箇条書きに泣く。目の前にあるチャンスを逃すことになる。たった数行の箇条書きで、あなたの明日が変わる。さあ、『超・箇条書き』のトレーニングを始めよう。
4万部突破のベストセラー!
『超・箇条書きーー「10倍速く、魅力的に」伝える技術』
シリコンバレー、戦略コンサル他、世界の最前線で、超一流は何をしているのか?
答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。箇条書きは、英語や会計、ロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。
「短く、魅力的に伝える」。それが箇条書きの強みだ。
◆経営者や投資家を動かす「短く、魅力的な」プレゼン
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