戦略コンサル、シリコンバレーの起業家、MBAホルダー、世界のエリートの「新常識」とは?
答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキル。「短く、魅力的に伝える」。それが箇条書きの強みだ。
箇条書きは、メール、プレゼン、企画書・報告書、議事録等、あらゆるビジネスシーンで大活躍する。3.7万部のベストセラー『超・箇条書き』の著者、杉野氏にそのエッセンスを語ってもらう。
(本記事は2016年7月29日に公開された記事を再構成したものです)
人を引きつける
「生々しいメール」とは?
今日は箇条書きのコツの1つ、「固有名詞を使う」を紹介したい。
コンセプトや総論的な話など、抽象的なことを伝えたいとき、どうすればよいのだろうか。
そういうときこそ、固有名詞を使うべきだ。
ただでさえ抽象的なことなのだから、少しでも固有名詞を入れて、相手を引き込むのだ。
では、どのように固有名詞を使えばよいか。
抽象的な事柄に対し、その例を示すものとして固有名詞を使うのだ。固有名詞があるだけで、抽象的で“乾いていた”箇条書き全体に、“生々しさ”が出てくる。
例えば会社の先輩に、次のような箇条書きのメールで相談したとする。
既読スルーされるメール
○○さん
現在の仕事で悩んでいます。
今週のどこかで、アドバイスをいただくことは可能でしょうか?
悩みは主に次の2つです。
1.仕事のスピードが遅い
2.プレゼンが上達しない
お時間があればで結構ですので、ご検討いただければ幸いです。
△△
「仕事のスピードが遅い」や「プレゼンが上達しない」という悩みは、多くの人が抱えているものだ。とても一般的で抽象的だ。乾いている。
このため、メールを受けた先輩としても、一般的で、抽象的過ぎてピンとこないかもしれない。
「まあ、よくあるよな。あまり、大ごとじゃないんじゃないか?」とか、「思い込み過ぎじゃないの。誰でもそんな悩みは抱えている」と感じて、真剣に読まない可能性が高い。結果的に、この悩みへのアドバイスは先送りされるかもしれない。
ここで、このメールの箇条書きに、固有名詞を使った例文を入れる。一気に生々しくなり、引きこまれるようになる。