自己流でかく前に本物を学んでほしい

スピーチもプレゼンもマインドマップを使えば<br />時間ぴったりに収まる<br />近田美季子
(ちかだ・みきこ)
株式会社ティズム代表取締役兼コンサルタント。日本唯一のThinkBuzanマスタートレーナーとしてライセンス・インストラクター(TLI)の養成に携わるほか、各種講座(マインドマッップ、読書術、記憶術など)に登壇、『新版 ザ・マインドマップ』『ザ・マインドマップ[ビジネス編]』(ダイヤモンド社)、『マインドマップ超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はじめ多数のトニー・ブザン公認書籍の翻訳・監修も手がけている。コーネル大学大学院経営学修士(MBA)。http://www.chikadamikiko.com/

近田 この40年間でマインドマップが広く知られるようになり、グーグルで「mind map」と検索すれば2600万件以上ヒットするし、画像もたくさん出てきます。ただ、トニー・ブザンさんのマインドマップとは異なる図解もたくさん含まれています。

 また、mind mapは辞書に載る言葉になって、「右脳鍛練法」という訳語がついていたりします。広く知られるようになるのは嬉しいですが、「発想法」など、部分的なとらえ方をされていたり、誤解されていたり、ということもありますよね。

大嶋 亜流とか自分流のオリジナルでやってますという人は、全然オリジナルに見えないんですよ。要するに、マインドマップの表面的なところにとどまっていて本質的なところに至っていない。私は関西人なんで「もったいないですよ」とよく言うんですね。一度本腰入れてブザンさんのマインドマップを学んでおいたほうが、実はラクなんですよと。

 ルールがあると面倒くさいと思う人がいるようですが、ルールは合理性のためにありますから、むしろルールをしっかり学ぶことが一番の近道になるんです。賢人たちが長くやり続けてでき上がったルールなのに、あなたはわざわざさらに何年もかけでマイルールを作るんですかと。なんてもったいない話なんでしょう。

近田 本当にもったいないと思います。効果が出るからこそ、40年以上も使い続けられているのです。「急がば回れ」で、作成法だけでなく、考案者の考え方や背景なども一度じっくり学んでみることをお勧めします。

 マインドマップは普通のノートとまったく違うかき方をするので、「何で曲線を使うの?」、「何でキーワードやイメージだけでかくの?」など、疑問に思うかもしれません。「だからこうかくんだ」と納得し、型に慣れ、効果を実感するには、講座で学ぶのが早道ではないでしょうか?