結局、6年前の35~39歳の人たちは、どこかに消えてしまったということになる。

 当時から指摘されてきた「対象から40歳以上が抜け落ちている」という瑕疵に加え、2回目の調査であるにもかかわらず、追跡データにもなっていなくて、比較する材料がない。「ひきこもり」層の実態を表す調査ともいえないとなると、いったいどんな意味があったのだろうか。

「若者の生活に関する調査ということで、私どもの施策の若者の範囲が40歳以上ではない。厚労省のほうの仕事です」

 石田参事官は、そう繰り返した。

 厚労省が40歳以上を管轄するのであれば、「ひきこもり」実態調査もその施策も、厚労省に一元化すればいい。内閣府が手掛けるのは、若者施策だけなのだから。

 とはいえ、内閣府の出した数字は1人歩きする。これまでも各自治体が2010年の内閣府調査を基に人口比で「ひきこもり」者数を推計してきた。

 今回の調査にかかった費用は約2000万円という。これだけの予算を使って、このような中途半端な調査を行うのは、ひきこもる当事者や家族たちにとっても迷惑な話といえる。

 対象年齢などについては、有識者4人による「若者の生活に関する調査企画分析会議」(座長・門田光司久留米大学文学部教授)における話し合いで行われてきたという。

 しかし、この日の会見に、門田座長は出席しなかった。

 なぜ、こういう調査が行われたのか。なぜ、こういう分析結果になったのか。

 同会議の事務局には、内閣府だけでなく、厚労省にもオブザーバーで入ってもらっていたという。

「40歳以上は厚労省の仕事」だとする中途半端な調査に税金をかけるのなら、内閣府には“二重行政”の疑いのある「ひきこもり」施策からの撤退を考えてもらいたいものであり、厚労省や他省庁との一元化した取り組みによって、改めて高齢化する現実に則した詳細な調査や検証が早急に望まれるのではないか。