未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは『ジェネレーションギャップを埋める~若い従業員と年配の従業員の共通点を探る~』
(ジェニファーJ・ディール著)です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー

「最近の若い社員はねぇ……」は
全世界共通のグチ!?

「最近の若い社員はねぇ……」

 経験豊かな年配社員の、こんな一言を聞いたことはありませんか?とくに年功序列が息づいている日本では、帰り際の一杯飲み屋で、よく聞かれるような話だと思います。

 とはいえ、これはどうも世界共通の悩みらしく、日本以上に進んだハイテク世代とアナログ世代が同じ職場で働いているアメリカにおいて、ジェネレーションギャップというのは、日本以上に管理者にとっては頭の痛い問題であることは確かなようです。

 そこで今回は、そんな最近のハイテク世代と、昔のアナログ世代とのギャップを埋めるべく、アメリカのビジネス洋書から「Retiring Generation Gap:How Employees Young and Old Can Find Common Ground」(ジェニファーJ・ディール著)をご紹介します。

 著者であるジェニファー・ディールは、約7年もの歳月をかけて3200 人以上の従業員に対し行った調査をベースに、「それぞれの世代が職場というものをどのように捉えているのか?」について、各年代や従業員の役職などに照らし合わせたデータを抽出分析し、その貴重な調査結果を非常に端的で実用性の高い内容として本書で提供しています。

 この本で得られる最大の情報は、「経験豊かな社員と若手社員の考え方はいったいどのように違うのか?」という、一見多くの管理者が分かっていそうで分かっていない重要事項について、膨大なデータからはじき出されたそれぞれの世代の「貴重な本音」だと思います。

 そもそも、年配の社員と若い社員の間に発生する世代に関する問題は、不適切な態度や人間関係の対立、あるいは今どきのテクノロジーを使えるどうかなどが原因ではないようなのです。

 本書からその一例をあげると、「一般的に年輩の従業員は、自分達には経験があるため、職場のルールを作る権利は自分達にあると考えており、権力や役割が明確化されていない場合、年配の社員による“経験”という基準での権力組織が組成される」という調査結果だったのだそうです。

 聞くところ、まさに多くの職場でありがちな出来事ですが、本書を通じて、管理者自身がそれぞれの世代の本音を理解し、具体的な打開策を知るということは、思いもよらず企業の業績アップにつながる内容だと思います。

 また本書は「Business Leadership」の著者でもあるミズーリ大学教授のJoan Gallos をはじめ、ビジネスコンサルタントのMarshall Goldsmithなど、アメリカ国内における、多くのリーダーシップやビジネスの専門家などから賞賛を得ています。

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