この原稿執筆時点では、9月21日の日本銀行の政策決定会合で日銀の金融政策に対する「総括的検証」が何を意味し、どのような対策が発表されるのかは不明だ。幾つかの考えられる選択肢はあるものの、日銀が2013年と14年に見せた「異次元緩和」のような大きなインパクトは与えられないかもしれない。
しかし、これを「金融政策の限界」として理解すべきだろうか。そうではなく、すでに量的なマネーの供給は十分である、すなわち「金融政策は十分である」と理解すべきではないだろうか。
中央銀行は、今までの量的緩和拡大を中心とした金融政策を修正し、すでに供給したマネーが効率的に使われる政策を、政府と共に実行する方向にかじを切るのではないかと筆者は推測する。と同時に、投資家は中央銀行の金融政策が株価を左右する最重要原因である、という考え方を修正すべき時期に来ていると考える。