FIFAワールドカップの2018年大会と2022年大会の開催国が決まった。
18年はヨーロッパ同士の招致争いになり、初開催となるロシアに決定したが、注目されたのは22年。日本、韓国、カタールのアジア勢とアメリカ、オーストラリアの5ヵ国が招致に立候補し、中東・カタールに決まった。
決め手となったのは、中東地域での初めての開催ということのようだが、これはちょっとした驚きだった。
カタールは小さな国だ。面積は日本の秋田県ほどしかない。人口は09年のカタール統計庁のデータによれば約165万人。秋田県は約110万人だから、少し上まわる。経済状況を度外視すれば、秋田一県で全世界が注目するW杯を開催するようなものなのだ。
過去のW杯開催国で最も小さな国は1930年第1回大会のウルグアイだが、それでも面積はカタールの約15倍ある。一説によると隣国バーレーンとの共催になる可能性もあるが、それにしても狭い地域で集中して行われる大会になることは確かだ。
FIFAランキングは113位
W杯本戦への出場は未経験
加えてサッカーの実力にも疑問符がつく。W杯には一度も出場したことがなく、FIFAランキングも現在113位。日本は30位だから、かなり下だ(ただし対戦成績は過去7戦して日本の1勝2敗4分とほぼ五分)。
ともあれカタールで最も人気があるスポーツはサッカーのようだ。スターズリーグというリーグ戦があり、王族が運営する金満クラブがサッカー先進国のスター選手を獲得するなど強化に余念がない。1989年にはアジアクラブ選手権(現ACL)で同国のクラブ、アル・サッドが優勝。著名選手ではアルゼンチンの世界的ストライカー、バティストゥータが首都ドーハを本拠地とするカタールSCに在籍したことがある。
もっとも日本のように、熱心にスタジアムに足を運ぶサポーターは育っていないようだ。リーグ戦を観戦した人の話によれば、スタジアムは空席の方が多いとのこと。考えられる原因は暑さだ。夏場は40度を超え、時には50度以上になることもあるという。そんな酷暑のなかで観るよりも、エアコンが効いた自宅でテレビ観戦した方がいいということらしい。