小さなNEWファーマー続々登場

 最近は、団体視察や講演でお話しさせていただく機会も増えました。

 そのときに、「あなただからできたのでは?」とよく言われます。

 光栄な言葉ですが、実際には、落ちこぼれサラリーマンだった私……。農業研修中も、何度「あなたは農家に向いていない!」と言われたか、わからないくらいです。

 それでも、考え方ひとつで、農には無限のビジネスチャンスがあると信じてやってきました。

 そんな風来に見学にきて農家になり、順調にやられている方も少なくありません。

 私が何かを教えたというよりも、すごく小さな畑でもしっかりできていることに自信を持ってくれたようです。

 熊本県で「無農薬イタリア野菜うさぎ農園」をゼロから起農した、公務員の夫婦(夫が自衛隊員、妻が高校教師)がいます。ここでは、野菜はもちろん、オリジナルのドレッシングも人気で、ワーゲンバス(軽ワゴン)を改造し、あちこちのイベントに参加して、本当に楽しそうです。

 また、金沢市で「トモファームあゆみ野菜」を起農したイケメン夫婦もいます。

 こちらもまったくゼロから立ち上げ、野菜の直売、飲食店に配達というスタイルでリピーターも多く、イベントを呼びかけると、50名以上すぐ集まるという農業界のホープです。

 そして、農業普及員を退職後に独立起農された方(こちらは農家の先輩)は、お米と花を中心に、「貸し菜園」というスタイルを確立し、いつも満員御礼。菜園にこられる方とのつながりも深く、これも新しいスタイルでしょう。

 それぞれ順調なのは、お客さんと直接つながっているのが大きいと思います。

 もちろん、それぞれ大変なこともあるとは思いますが、自分たちの生活の豊かさを起点に、もっともっとの「拡大思考」ではないことも共通しています。

 まさに、考え方、発想の転換次第で農をやれる時代になってきました。

 いよいよ従来の固定概念に縛られずに、小さいからこそキラリと光る面白い時代になってきたのです。