ドラッグストアに並ぶ一部OTC医薬品(市販薬)に、10月から新しいマークが順次付く。2017年1月に始まる「セルフメディケーション税制」で税控除対象品を識別できるよう、業界団体が作った。
新税制では、対象となる市販薬の年間購入額が1万2000円を超えた場合に確定申告をすれば、所得税などが控除される。例えば課税所得金額330万円~694万9000円の世帯主が扶養家族分も含めて年5万円分購入した場合、所得税と住民税から計1万1400円が戻ってくる。従来の医療費控除制度(市販薬を含め医療に関わる支払いが年10万円を超えると適用)と併用はできず、申告者がどちらかを選ぶ。
過度の医者依存から脱却することで医療費を抑制したい国はセルフメディケーションを促進しており、新税制はその策となるもの。15年12月に閣議決定された16年度税制大綱に盛り込まれた。
市場が低迷する中で業界側は数年来、導入を要望してきた。杉本雅史・日本OTC医薬品協会会長(武田薬品工業コンシューマーヘルスケアプレジデント)は「医療用医薬品が市場全体の9割強を占める日本は、他の先進国と比べていびつな構造だ」と指摘した上で、「新税制はエポックメーキング(画期的)」と歓迎する。