多数の観光客に慣れず
サービス現場が混乱か

 前回、このコラムで指摘したような、富山県の某山岳観光地のレストランで遭遇した信じられない場面もその一つだ。つまり、座っているお客さんに断りもせずに、昼食の定食をいっぱい乗せたトレイをその女性客の頭の真上から渡したのである。「危ない」と叫ぶ前に、そのサービスの乱暴ぶりに逆に圧倒されてしまった。詳しくは「中国人向け観光商品開発は欧米の『革命ツアー』に学べ」をご参照いただきたい。

 実はこれは富山県のレストランに限った問題ではない。北海道の小樽を訪問したときもいくつかサービス上の問題と遭遇した。その日はちょうど休日だったので、自由行動の日として指定されていた。しかし、出発前から私はすでに観光現場でのサービスぶりを密かに心配し始めた。

 いつも大きな観光バスが駐車する駐車場の向かいにある観光専門レストランに入ったら、案の定、サービス崩壊の現場を否応なしに見せつけられた。注文していた定食がなかなか来ないのを見て、不思議に思い、配膳カウンターのところにのぞきに行ったら、私たちの注文した定食はすでに出来上がって相当時間が経っていたようで、ステーキがすでに冷めていた。その定食のほかに単品ものを5品注文したが、3品ぐらいはできあがっているのが配膳カウンターのところに見えた。しかし、あとの2品は忘れたのかどうかはわからないが、結局、食事の時間が終わるまで注文したその5品は運ばれてこなかった。この問題は、注文を取り消す方法で解決した。

 支払いに行ったら、今度はお客さんが多いということで店員がオーバーフローしたようで、職場放棄と思われるほどの行動に出た。つまり、レジ台のところから飛び出て、ちょっと離れた場所に突っ立ったまま、茫然とした表情を見せていた。周りを見ると、そんなに秩序は混乱していないし、支払いの番を待っているお客さんも落ち着いている。やはりお客さんが集中していることに、ある種の焦りとプレッシャーを覚えたのでは、と思った。東京のレストランなら、これぐらいの客数では全然問題にするはずはない、と同行する知人に私の感想を述べた。