同社は働きがいのある会社・職場を以下のように定義しています。

「従業員が勤務する会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる」

「信頼に満ちた環境で、ひとつのチームや家族のように働きながら、個人の能力を最大に発揮して、組織目標を達成できる」

 ただ、調査対象になるにはエントリーが必要です。エントリーした会社のなかから、調査結果上位の企業がランキングとして公表されます。全国にあるすべての企業が対象ではありません。

「自分の会社はとても働きがいがあるのに、どうしてランクインしていないのか?」と思った人の疑問はこれで解決したのではないでしょうか?つまり、Bさんの会社は働きがいのある企業ランキングへのランクインを目指して、この調査にエントリーしていたのです。

 実は数年前からエントリーしていたのですが、上位にランクインしていなかったので、社内でニュース配信をしたり、採用ホームページでの紹介はしていませんでした。何とかランクインするために、数年間、人事部が主導して地道な努力を重ねてきたのです。

 S社には、数年前まで職場環境や上司のマネジメント、あるいは仕事内容に対する不満を口にする社員がたくさんいました。当然ながら退職率が高く、新規採用しても退職者が上回ってしまうような問題を抱えた職場ばかりでした。むしろ、働きがいのない会社だったといえます。

 この状況を打破するため、課題をあぶりだして、解決。徐々にランクを上げて、働きがいのある会社へと変貌させたのです。確かに、職場環境は大幅に改善し、退職率も減少してきました。さらに、今回の結果を受けて採用ホームページでイメージアップが図れて応募者数が増えたら、この取り組みは有意義であったと言えるでしょう。

「働きがいのある会社」の
全職場が働きやすいわけじゃない

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 ただ、Bさんのように働きがいを感じない職場環境に置かれている人がいるのも事実です。また今後、働きがいのある会社であり続けるために、上司が高い成果を求めて、部下に厳しい要求をすることが増え、「ついていけない」と退職者が再度増えてしまう可能性もあります。従って、働きがいのある会社が、必ずしもバラ色の職場環境とは限らないことは会社も社員も肝に銘じておく必要があります。

 ただ、働きがいのある会社を目指すことで社内に活力が出たり、意欲的な人材の採用が実現できるなど、成果につなげている会社もたくさんあります。

 こうした調査やその結果は、ぜひとも会社を変える手段として上手に活用したいものです。