(スタッフ)「店長、例の新人さんが『こんなにキツいとは…』ってこぼしてましたよ」
(店長)「面接で調子のいいことばかり言いすぎたかも…」
(スタッフ)「やっぱり!彼、きっと『ダマされた!』って思ってますよ」
(店長)「でも『ウチはキツいよ!』って正直に言ったら、内定辞退されちゃったこともあるし…もう、いったいどうすればいいんだ!」
早期離職してしまったアルバイトに理由を尋ねると、意外にも「面接のせいだ」という答えが返ってくる。彼らはいったいどのような不満を抱いて辞めてしまうのだろうか?「現実的職務予告(RJP)」に関する研究なども参照しながら、早期離職の根本原因と防止策を探っていこう。最新刊『アルバイト・パート[採用・育成]入門』から一部を紹介する。
1ヵ月未満で辞める人は
「面接がよくなかった」と答える
前回に引き続き、現場の戦力になる前に辞めてしまうアルバイトの早期離職の話です。なぜ採用から1ヵ月も経たないうちに辞めてしまう人がいるのでしょうか?離職に至る理由は人さまざまですが、早期離職者に「辞めた理由」を尋ねてカテゴリ別にまとめて集計したところ、下図のような結果が得られました。
■早期離職の要因(カテゴリ別)
いちばん多かったのはなんと「面接時の対応」です。入社後のことではなく、入社前に受けた印象が、早期離職の要因になっているわけですね。2位以降に続いている「雰囲気」「忙しさ」「人間関係」「条件」などへの不満はさもありなんという印象ですが、「面接時の対応」が1位に来ているのは、意外な感じがしませんか?
面接で不満があったなら、内定を辞退すればいいはずです。にもかかわらず、入社しているというのはどういうことでしょうか?そもそも、面接時の対応にどんな不満を抱いているのでしょうか?この点を少し掘り下げてみたいと思います。