J1リーグ戦は11月3日に全日程が終了。浦和が年間1位の座を勝ち取った。
今後の見どころは年間優勝を決めるチャンピオンシップだ。11月23日に年間勝点2位の川崎と3位の鹿島が準決勝を戦い、その勝者がホーム&アウェーの決勝で浦和と対戦する(第1戦=11月29日、第2戦=12月3日)。9ヵ月にわたるリーグ戦で積み上げてきた結果と選手の思いがこの3試合に凝縮されるわけで、熱く見ごたえのあるゲームになることは確実だ。
その一方で今季は名古屋がJ2に降格するという衝撃の結末もあった。名古屋は1993年のJリーグスタート時から参加している「オリジナル10」のひとつ。前身の企業チーム時代からの実績はもとより、ホームスタジアムや練習場といった環境面、財務体質など厳しい条件をクリアし、最初に参入を認められた由緒あるクラブだ。2010年にはリーグ優勝。1995年と1999年の天皇杯も制している。ストイコビッチ、長年日本代表GKを務めた楢崎正剛といったスターも数多く在籍。若き日の本田圭佑もここで成長し世界への足がかりをつかんだ。そんなJ1に欠かせないクラブがJ2降格の憂き目を見るとは…。
これでオリジナル10のうち、一度もJ2降格を経験していないクラブは鹿島と横浜Fマリノスの2つだけになってしまった。
Jリーグはスタート翌年の1994年から新規参入クラブが加わるようになり、6年目の1999年にJ2が誕生。この時からJ1からJ2への降格、J2からJ1への昇格をめぐる争いが始まった。
オリジナル10のひとつだった横浜フリューゲルスは1998年に出資会社の経営不振によって横浜Fマリノスと合併し消滅したが、それ以外の7クラブはJ2降格を味わったことになる。それだけJリーグのレベルが上がり、戦力が整っていても下位に沈む可能性があるということだ。
しかし、過去に降格を経験したオリジナル10クラブの歩みを見ると、その経験を無駄にせず飛躍につなげたケースと、それができなかったケースに2つに分かれる。前者は浦和、広島、ガンバ大阪、後者は東京ヴェルディと千葉だ。