「ネットになかった」は
知識不足の言い訳にならない!
「ネットにありませんでした」。みなさんは、こんな言葉を発していませんか? 厳しいこと言えば、十数秒でだれにでもできる検索だけして諦める人は、戦う前から敗者になっています。
就活でネットに依存してしまうのは、二つの意味で大損しています。ひとつは、別の調べ方なら手に入ったはずの資料が手に入らなかったという大損。もうひとつは、同じようにネットで調べて見つけることができなかった君の競争相手に差を付けられなかったという大損。
ネットから手に入る情報の多くは、会社のホームページ、つまり良いことだけを書き並べた宣伝と、会社に対する玉石混淆の罵詈雑言くらいですかね。パソコンの前に座って検索をかけただけで会社が分かったら苦労はしません。「ネットにない? だから何なんだ」。ネットにあろうがなかろうが、会社は存在するし、あなたは就職先に選ぶかもしれない。検索の結果は出発点に過ぎません。
まず図書館に行きましょう。新聞のバックナンバー、特にネットでは記事をほとんど公開していない業界紙は、ざっと眺めるだけで業界の問題点、注目のトレンドが見えてきます。業界やその企業の歴史や事業の実情について書かれた本は、第三者の目で深く分析されたものも多く、理解を深めることが出来ます。
会社の社史も役に立ちます。創業のとき、あるいは飛躍したときのエピソードからは、その企業らしさの源泉が見えてきます。経営者の自伝を読めば、経営者としての生き方、働くことへの考え方を知ることが出来ます。
さまざまな業界を精緻に分析した『業種別審査事典 第11次新版 第1~9巻』(金融財政事情研究会)や『TDB業界動向:主要企業・業界の動向と展望』(帝国データバンク)、あるいは『東商信用録』(東京商工リサーチ)のように10万社以上もの企業の概要を集めた資料など、個人ではとても手が出ない高価な資料もあります(東京都立図書館のホームページに分かりやすいガイドがありますので参考にしてください)。