しかし、この見直し案ですら、「財源不足」の一言であっさりと見送られてしまった。長期療養が必要な患者は重い負担が続くことになる。

 さらに難病対策も、遅々として進まない。

 特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されれば公費助成が受けられるとはいえ、その数はわずか56疾患。原因不明の希少疾患は5000~7000種類もあるといわれている。また、小児慢性疾患の患者は、病気が治っていなくても、20歳になった途端に助成を打ち切られており、制度の谷間に落ちた患者は医療費の負担に苦しんでいる。

 難病患者を救うためには、病気の解明のためのさらなる研究が必要だ。そのために前政権で100億円まで引き上げた難治性疾患克服研究事業の予算を、民主党政権は70億円まで削ろうとしているのだ。

 12月13日に日本最大の患者団体である日本難病・疾病団体協議会(JPA)が主催した意見交換会で、患者のひとりは、「民主党政権は、国民の命を守りたいといっていたのに、なぜ、真逆のことを行おうとするのか」と悲痛な叫びをあげた。JPA事務局長の水谷幸司さんは、難病患者への公的医療保険の適用拡大を訴える。

「長期療養している患者には疾患の種類に関係なく、高額療養費制度を拡充するか、別の長期療養のための給付制度が必要です。そうなれば、20歳を超えた小児慢性疾患の患者、特定疾患の対象になっていない難病や長期慢性疾患の患者も医療費の不安から解消されます」