しかも翌朝になると、黄色い膿混じりのオリモノが出るようになり、排尿の後には下腹部付近に重い痛みを感じるようにもなった。その上困ったことに、あそこがすごく痒い。

 (何これ、まさか性病? まさかね…)

 疑いを抱きつつも我慢しているうちに、だいぶ日数が経ち、オリモノの量も減って来たと思っていたのだが、いきなりの悪化。

 険しい表情で何度もトイレに通っていると、直太郎さんが声をかけてきた。

「大丈夫? 膀胱炎?」

「うん、たぶん。でもなんかいつもと違うのよね」

 不安と苦痛の一夜を耐え、亜矢さんは翌朝一番にかかりつけの内科クリニックを受診した。

膀胱炎なのに
抗生剤が効かない

 かかりつけのクリニックの医師は、ちょっと変わっている。

 学生時代はラグビーをやっていたそうで、今も、OBが集まって試合していると語り、体幹を鍛えるためにバランスボールに座ったまま診療に当たるのだ。

「膀胱炎ですね。尿に細菌が出ていますし、潜血反応もあります。抗生剤を出しますから、きちっと飲み切ってくださいね。お大事になさってください」

 逞しい身体を軽く揺らしながら見送られると、気持ちがだいぶ癒された。

 処方してもらった抗生剤を薬局ですぐに服用し、亜矢さんは(これでもう安心)と思った。

 ところが薬を全部飲み切っても、症状は治まらなかった。

 再診し、検査をしてもらうと、尿からはもう何も検出されず、膀胱炎も治まっているという。

 しかし、残尿感やしみるような痛みはずっと残ったまま、頻尿感もあり、なんだかすっきりしない。