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東京証券取引所が「PBR1倍割れ」企業に改善を求め始めてから、まもなく3年がたとうとしている。本来、成長期待が織り込まれるべきスタートアップの中にも、「解散価値」を下回る企業が少なくない。長期連載『スタートアップ最前線』で、新興市場の上場企業を対象に低PBRランキングを作成したところ、1倍割れは35社に上った。CYBERDYNEやスカイマークもワースト上位に入った。市場はどの企業に「厳しい通信簿」を突き付けているのか。全100社のランキングを紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
東証が問題視する「PBR1倍割れ」
成長期待を失ったスタートアップ
PBR(株価純資産倍率)は、株価が純資産の何倍まで買われているかを示す指標だ。1倍を割り込む水準は、「会社を解散して資産を清算した方が株主にとって得」と考えられる。このため、東京証券取引所は、1倍割れ企業に対して資本効率の改善や成長戦略の明示を求めてきた。
本来、成長途上のスタートアップは将来の稼ぐ力への期待が株価に乗りやすく、PBRが2倍、3倍になってもおかしくないはずだ。それにもかかわらず1倍を割り込んでいる新興企業は、成長性と資本効率の両面で市場から厳しい評価が下されているということになる。
そこで今回のランキングでは、東証グロース、札証アンビシャス、名証ネクスト、福証Q-Boardに上場するスタートアップ企業を対象に、PBRの低い順でランキングを作成した。
その結果、PBR1倍未満が35社に上った。業種別に見ると、35社のうちサービス業が15社、情報・通信が7社で、両業種だけで6割超を占めた。続いて不動産が4社、卸売業が2社と続いた。
今回取り上げるワースト100社の中には、かつて医療用装着型ロボットで脚光を浴びたCYBERDYNEや、一度倒産して再上場した航空会社スカイマークといった有名企業も名を連ねた。次ページで100社の実名を確認していこう。







