資金的な制約がある個人投資家が儲けやすいのは、みんなが知っている優良企業の株ではない。それよりも、赤字で業績が低迷しているボロ株や低位株が狙い目だ。今話題の『低位株待ち伏せ投資』を上梓した吉川英一氏が、その理由を解説する。
二流、三流、赤字企業!?
なぜボロの小型株がいいのか?
株式投資の初心者に限って、トヨタやファナック、キヤノン、武田薬品工業などの日本を代表する優良株に投資しようとします。しかし、これらの株は、いきなり倍になったりすることはありません。
それよりも名前も聞いたことのないような二流、三流株、赤字で業績が低迷しているボロ株や低位株のほうが大きく上昇したりします。
これは、株式市場にやって来る投資家の大半が、配当をもらうよりも、株価変動を利用してキャピタルゲインを得ることを目的にしているからです。
優良株と言われる銘柄がいくら高配当を出したところで、株価の変動が小さければ、キャピタル狙いの投資家にとってはなんの意味もありません。だから、値動きの激しい新興市場銘柄や東証2部のボロ株が動いてくると、買いが買いを呼んで大きな上昇につながるわけです。
資本金や発行済み株数が大きい巨大タンカーのような株が、プレジャーボートのような小型株と同じ動きをすることは決してありません。トヨタの資本金は3970億円、発行済み株数は33億8000万株もあります。それに対して、エスケイジャパンという銘柄は、トヨタと同じ東証1部銘柄ですが、資本金4億6000万円、発行済み株数848.3万株という少なさです。