昨年から控除額が約2倍となり、人気に火がついた「ふるさと納税」。2016年分の寄附締め切りが年末に迫る中、どこの自治体・返礼品を選べばおトクなのか、迷う読者も多いだろう。人気のある返礼品や自治体をご紹介する。
わずか2分で品切れも!
過熱するふるさと納税人気
「はちみつセットの受付 12:05~」。カレンダーに赤字で書き込む主婦がいる。彼女は、北海道上士幌町から国産はちみつの返礼品がもらえる「ふるさと納税」を利用しようと目論んでいた。当日の12時04分。リビングに置かれたパソコンで、ブックマーク済みの返礼品申し込み画面を前に、じりじりと時間が経つのを見守る。12時05分を迎え、彼女は申し込みボタンを押す。しかし、個人情報の入力に手間取ってしまった。「あああ!」。リビングに悲痛な声が響く。目当てのはちみつは、わずか2分で品切れになってしまった…。
たかが返礼品と侮るなかれ。いまや多くの自治体が、ふるさと納税の返礼品に、驚くような豪華な品々を用意している。
たとえば、人気の牛肉でも、松坂牛、神戸牛、近江牛または米沢牛といった「三大和牛」を筆頭に、銘柄牛が多数。さらに、和牛1kg以上が寄附金額1万円で手に入るといったコストパフォーマンスの高い牛肉も返礼品として注目を集めている。こうした人気の返礼品は入手の難易度が年々高まっている。
総務省発表「ふるさと納税に関する現況調査結果」(2016年6月14日)によると、全国1788自治体の90.5%(1618団体)が返礼品を用意しているのだ。そして、まさにこの12月はふるさと納税の申し込みも佳境を迎える。2016年分は多くの自治体で12月31日が締め切りなのだ。会社員の場合、給料明細と共に源泉徴収票を受け取るのも12月。源泉徴収票を見てから自身の控除額の上限を算出する人も多く、例年12月に申し込みが集中する。
しかし、「12月末までは大丈夫」とタカをくくるのは危険。自治体や支払い方法によっては、16年分の申し込みに間に合わないこともあるのだ。締切日は、納金方法に左右される。クレジットカード払いが可能で、カード決済日を申し込み受領日とみなすため12月31日まで手続きできるケースもあれば、寄附者が銀行振込や郵便振替を選択した場合に支払い払込票の発送に時間がかかるため、12月上旬で締め切るケースもある。