【日本企業の“グローバル風”研修1】
ワンショットの語学研修

 主に英語だと思いますが、ちょろっと語学研修を行うことで「グローバル人材育成」としているパターンです。

 もちろん、語学が大事ではない、というわけではありません。語学力はもちろん必要ですし、できるに越したことはありませんが、それだけで海外で活躍できる人材になれるのかというと少し疑問です。

 かつて私は、海外赴任したビジネスパーソンを対象にした調査(中原淳2012「経営学習論」)で「海外赴任後、困難だったこと」について聞いています。

 すると、語学に対して「困難あり」と答える人は大体38%ぐらい、「困難はあまりない」という人が62%でした。しかも、「困難あり」と答えた人の中の80%以上が、後々その困難を乗り越えた、と回答しています。

 どんなに勉強しても、外国人が話すようにペラペラにはなれません。ですがまあ、仕事は何とかできるようになるということなのです。こうしたことがあって、語学力は大切ですが、それだけでいいのか、というところには疑問が残ります。

 また、そもそも語学力がワンショットの研修で急に向上するのか、というところも疑問です。私自身は専門家ではないので、あくまでも私見ですが、第二言語を学ぶというのは、本気で日常生活の中にそうした機会を取り入れ、習慣化していかないと難しいのではないでしょうか。

 いずれにしても、ワンショットの英語研修で、海外で活用できるグローバル人材になるというのはちょっと難しい気がします。本気でやるなら、もっと他にもやることがありそうですよね。