「グローバル」のキラキラ感に
油断禁物!
突然ですが、あなたの会社では「グローバル人材育成」うまくいっていますか?
国内市場は縮小し、内需拡大の限界に直面しつつある今、成長が期待されるグローバル市場に乗り出していく人材の育成は、多くの日本企業にとって、今もこの先もますます重要な課題となっていくことは間違いありません。
そこで人材開発研究、最新の調査でわかっていることから、グローバル人材育成のあり方を考えていきたいと思います。
今また、あちこちで「グローバル人材育成」という言葉が聞かれるようになりました。グローバル人材育成という言葉を最初に聞いたのは、私の記憶では2011年か12年ごろだったかと思います。
小学校で英語が必修化されたのも2011年でした。内需が縮小傾向にあり、新興国など海外市場が拡大する中で、日本企業は、どのようにして海外でも活躍できるビジネスパーソンを育成するべきなのか、ということがこの時期のテーマとなっていたように思います。
その後、一時期、下火になった感がありますが、最近のインバウンド市場の拡大もあってか、また復活してきているというような印象をもっています。
しかしながら、この「グローバル人材育成」はなかなかの曲者です。というのも、このワードには「国際的なビジネスの現場で活躍するグローバル人材」「ビジネスのグローバル化が急速に進む時代を勝ち抜く人材」など、キラキラした印象があるためか、人事の方々もつい油断しがちで、「かっこいい!」「なんかよさそう!」「とりあえず研修やりましょう」とやや安易にグローバル人材研修が導入されている傾向が見受けられるからです。
私はこれを「“グローバル風”研修」と呼んでいます。
“グローバル風”研修のなにが問題かというと、「グローバル人材育成とは、グローバル風研修をすることである」というようなある種の誤解、誤解と言わないまでもやや短絡的な発想で取り入れられがちだからです。“グローバル風”研修が全く無駄だと言うわけではないのですが、本当に御社のグローバル人材育成につながっていますか? と問いかけたくなる例が多々あります。
では、日本企業で行われているありがちな“グローバル風”研修はどのようなものなのか? 3つほどご紹介します。