夢の中のあなたは、完全なる波動の存在
夢は現在の波動の状態に気づかせてくれます。
夢を思い出すことは、夢で関わった“見えない世界”の思考のかたまりを物質世界の表現に翻訳しているのです。
睡眠中のあなたは、“見えない世界のエネルギー”に戻って会話しています(言葉ではなく波動による会話です)。そして目覚めてから、思考のかたまりを物質世界の言葉に翻訳するのです。
前から望んでいることが一向に実現しないとき、その願いが実現した夢を見ることがあります。そして、夢を楽しく思い出して抵抗の波動がやわらぐと、願望が実現することがあります。
かつてジェリーとエスターはある事業に関わっていましたが、二人はまだ特別な関係にはありませんでした。互いに相手を大切に思ってはいましたが、それは恋愛感情ではありませんでした。二人ともそのような感情に浸っていられる立場になかったのです。二人は相手を特別な対象として見ることもありませんでした。
ある晩、エスターは、ジェリーがベッドのそばにひざまずき、彼女の頬にキスする夢を見ました。子どもの頃に聞いた童話の一場面のようでした。ジェリーの唇が顔に触れると、尋常でない感覚が湧き起こりました。天にも昇る心地、何も問題はない、という思いです。
目が覚めるとその夢のことばかり考え、ジェリーのことをそれ以前と同じようには考えられなくなりました。
その夢は、エスターが知らなかった感覚を彼女の中に残しました。その感覚があまりに素晴らしかったので、彼女は何度も同じ夢を見ようとしました。夢を見られないなら、夢を思い出そうとしました。それがきっかけとなって二人は接近したのです。
エスターは、「私は一生幸せに暮らしたい、私を大切にしてくれるパートナーが欲しい、楽しい生活を送りたい」と考えていました。そう考えながらも、その多くが欠けた生活を送っていましたが、エスターの“内なる存在”は彼女の願望を聞いて、視覚と感覚を伴い、忘れられない程度に具体的な夢、そして彼女にいつまでも語りかける強烈な夢を見せたのです。エスターはそこに思考の“エネルギー”を送りました。