台風の目は「小池新党」
その前途は多難

 今、政局を語る上で最も注目を集めているのが小池百合子東京都知事だろう。

 小池都知事は、10日に品川で開催された自身の政治塾「希望の塾」で、来年7月に予定される東京都議会議員選挙に候補者を擁立する意向に言及した。そして、「希望の塾」の塾生の中から意欲のある方を募集すると表明した。

 これに対し、「維新」は小池氏と連携するどころか、独自候補の擁立を発表するなど、戦いを挑んでいるように見える。正直、4年前の東京都議会議員選挙においても日本維新の会は惨敗しており、「維新」が東京で支持を受けることは絶望的だろう。にもかかわらず、再び東京都への進出を画策するのは、小池新党に牽制をかけることで、自らの存在感を強化しようという戦略ではないか。

 「維新」の支持層は小池新党の支持層と一定数重なっていると見られており、連携が実現しないことは、結果として自民党を利することにつながっている。

 しかも、オリンピック問題にせよ、豊洲移転問題にせよ、問題点を浮き彫りにしたという点においては評価されるべきだとしても、結局、解決策が見当たらないまま、結論に変化が生じないのであれば、小池都知事の求心力も長くは続かないかもしれない。

 年が明けた後、「希望の塾」から試験や面接を経て候補者の選抜を開始するとのことだが、正直、7月の都議選に向けてのペースだとしても遅すぎると感じる。「希望の塾」には新たに約900人が加わり、塾生の規模は4000人近くに膨れ上がったとのことだが、その中には他党に党籍を残したままの者もおり、逆に選挙に小池都知事が「利用される」事態を招きはしないか。

 このように、安倍政権が「維新」を手なづけておくことは、実は小池新党に対する牽制球としての利用価値もある。

 これまで、安倍政権にとって、憲法改正の野望の実現、野党共闘に対する防衛、特に小池新党に対する牽制球といった意味で橋下徹氏に近づくことは極めて大切だということを解説した。一方で、一民間人となった橋下徹氏からすればどうでもいいことなのかもしれないが、「維新」の今後の展望はあまり見えない。

 誰一人「強い与党」に太刀打ちする術がないまま、安倍総理の在職日数は日々更新され、2016年は過ぎ去っていく。

 来年こそは、与党と野党が切磋琢磨する政党政治が実現されてほしいと願う。

 よいお年を。