「自分に向く仕事」にこだわりすぎるあまり、就活の行動に自らブレーキをかけていませんか?

 「先生から見て、僕に合っている仕事って何だと思いますか?」
 「自分に向いていると思う仕事を教えてください」

 これは、学生や第二新卒からよく聞かれる質問です。その背景には、「仕事選びに失敗したくない」という強い気持ちを持っていることにあります。

 これらの質問に対して、私はいつも同じ返答をしています。

「いいですよ。ただし、その仕事を教えたら、絶対にその仕事に就くって約束してくれますか?」

 すると、ほとんどの方は引いてしまいます。なぜなら、彼らは、本気でその仕事に就くことを考えていないからです。そのうえ私が本気で言うことで、彼らは自分に向いていない仕事を紹介されるのではないかという不安を、少なからず持っているからでしょう。

 企業情報を集めたり、志望企業に応募したりすることをインターネットから行う時代の中で、「○○の仕事が自分に向いているか」という類の質問は、就職できない若者の特徴の一つでもあるのです。就職するにあたり、「仕事の向き不向きを確認しないと不安だ」という彼らの気持ちは理解できますが、就職する前から仕事内容をあれこれと心配していても、就活で自分の行動にブレーキをかけてしまうだけです。

 彼らはどのように就活を進めていけばいいのでしょうか。また、周囲はどう支援していけばいいのでしょうか。今回は「自分に向いている仕事の探し方」について考えていきます。

就活に対し、
「覚悟」を持って臨んでいるか

「就職」という目標を立てて「自分に向いている仕事を探す」というのは、就活において最も多くの時間を費やす作業といえるでしょう。なぜなら、社会人になってから定年まで勤める期間は40年以上になり、人生の一大事として「就職」の失敗はしたくないからです。