「体系的廃棄は、いまからすぐ使える方法です。生活していくうちに蓄積されるモノをなかなか捨てられずにいると、部屋の中を消費していく。不要なモノを身に付けていると、それだけパフォーマンスは落ちる。モノは、自分で決めたルールなども含まれます。それらが現在ないと想定したときに、いまからでも手に入れるかどうかを考え、手に入れないと判断したら、すぐに捨てる方法です」

 こうやって考えると、周りに不要なモノが多過ぎるあまり、身動きがとりにくくなっていたということに気づくかもしれない。

 こうした不要なモノやムダな活動にかけた費用が「埋没費用」と呼ばれるものだ。これらを捨てられないのも、埋没費用をもったいないと思うことが、原因の1つになっている。引きこもりの人たちにもまた、埋没費用への未練が影響していそうな気がする。

「でも、こぼれたミルクは元には戻れない。クヨクヨ泣いていても仕方ないので、パッと諦めて、次のことを考えることが大切です」

 さらに、「課題を期限通りに仕上げる」というのは、筆者もとても苦手だ。だから、とにかく「思いついたこと、アイデアなどを箇条書きでメモしておく」ことは、実感としてすんなり入ってくる。

「何かをやろうと思ったら、すぐに書く。壁などに張る。目標にもつべきは、次の3つです。まず、何をするか。次に、いつまでやるか。そして、どの程度やるか――を書くといいですね。1つだけ書いても、後日、いい加減になってしまう可能性があります。期限がなければ、永遠に先延ばしできますからね」

 筆者も忘れっぽい性格だ。熱かった頃を思い出すには、とっかかりを残しておくのは、有効のように思う。

 なかなか奥の深いドラッカーの考え方。火付け役の『もしドラ』は、NHKでアニメが近々放送予定(地震のため未定)、6月には映画も公開されるという。

 一方、1年前に出版された『ニーチェの言葉』も、すでに90万部を超えたらしい。

 ニーチェは、中高生時代に読む本だと思っていた。しかし、皆がこうした「古典」に助けを求める時代になったのも、今の日本の「ひきこもり」社会を反映しているのかもしれない。

発売中の拙著『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)では、このように、いまの日本という国が、膨大な数の「引きこもり」を輩出し続ける根源的な問いを追い求め、当事者や家族らの語る“壮絶な現場”をリポートしています。ぜひご一読ください。