すったもんだしたセ・リーグ開幕問題の結論が出た。開幕はパ・リーグと同じ4月12日。加えて電力事情がひっ迫していることから4月中のナイターは自粛、延長戦は3時間30分を超えたら新しいイニングに入らないという規定が盛り込まれた。

 被災地では多くの人たちが厳しい生活を強いられているし、原発事故も予断を許さない状況が続いている。首都圏では計画停電が実施され、人々は節電に努めている。こんな非常事態にプロ野球の開催など許されることではないと、世間から猛反発を受けたからだが、その世論をリードしたのがプロ野球の日本選手で組織される選手会である。

 パ・リーグは大地震発生から4日後の3月15日、臨時理事会を開き、早々に開幕延期を決めた。リーグ所属球団に被災地を本拠地とする東北楽天があり、試合開催が困難という事情もあったが、「今はまだ、野球どころではない」という意見も多く、開催が許されるのは事態がある程度落ち着くであろう地震から1ヵ月後として4月12日を開幕日にした。

セ・リーグの3.25開幕強行を受け
声を上げ始めた選手会

 ところがセ・リーグは予定通り、3月25日の開幕を強行しようとした。「苦しい時こそ、いいプレーを見せて人々を元気づけなければならない。開催すればその利益を義援金にすることができるし、復興の力になり得る」というもっともらしい理由をつけて。

 この時から選手会は声を上げ始める。「3月25日開幕が正式に決まった場合、選手としては従わざるを得ない」としながらも、予定通りの開幕にこだわるセ・リーグ球団上層部の姿勢に疑問を呈し、「パ・リーグと同じ4月12日開幕でいいではないか、同時開幕の方が一体感が生まれ、選手の気持ちをファンに示すことができる」と主張。レギュラーシーズン144試合の消化が日程的に厳しくなれば、選手にとって負担のかかるダブルヘッダーも受け入れるとし開幕延期を要望した。

 これに世論の後押しや管轄の文科省の指導もあってセ・リーグの幹部は再考。セ・パ同時の4月12日開幕やナイター自粛を決定したのである。