子会社幹部は親会社からの出向者で占められ「ガラスの天井」が見えている。一方で責任とそれに伴う業務負担が増えても、待遇には全く反映されない。この子会社では構造的に、出世するメリットが見いだせない。だから入社後3年で半数の人が辞めていく。

 現場の不満を尋ねれば、子会社族の多くはせきを切ったように、こうした不幸な実態を口にする。

 周囲と数年違いで就職氷河期に直面し、早慶レベルでも大企業に内定できずに、子会社行きを余儀なくされた学生も珍しくない。

 そんな一群を生み出す子会社の基本的な定義は次の通りだ。ある会社(親会社)が議決権のある他社の株式の過半数(50%超)を保有する場合、この株を握られている方が子会社と位置付けられる。

 50%以下でも、「実質的な支配」の関係にあれば子会社となり、さらに傘下で同様の関係にあれば親会社から見て孫会社。議決権20~50%なら関連会社で、これらを総称してグループ企業と呼ぶ。

 サラリーマンなら誰もが関係し得る、子会社という存在。身近にありながら、実はその全貌をつかめる統計などはほとんどない。

 その中で比較的網羅性が高そうな経済産業省の「企業活動基本調査」によれば、従業員50人以上、資本金3000万円以上の製造業を中心とした日本企業(金融・建設業など除く)で見た場合、国内の子会社数は約5万社に上る。子会社といっても規模はさまざまだが、仮に中小企業と定義される1社当たりの従業員数300人以下(業種による)から推定すると、関係者は1000万人規模になる可能性もあり、裾野は極めて広い。

 企業再編が国内でも活発になっている中、ある日突然、籍を置く会社が買収されないとも限らない。そういう意味では、潜在的には全てのサラリーマンが「子会社族」予備軍だ。あなたも決して、その例外ではない。