こうした些細なことでも、一事が万事。受付が非効率な会社は、仕事上の仕組みも非効率だったりする。そのことを指摘すると、担当者は分かっているのだが、役員が分かっていないからとか、昔からのやり方を変えたくないからという理由で、なかなか改善が進まない。

 しかし、非効率なシステムという意味では、大企業より行政のほうが遅れている。たとえば、法人の登記簿謄本。先日も契約の関係で、法務局に登記事項証明書を取りに行ったのだが、あいかわらず窓口は混雑しており、いい加減、どうにかならんのかと思う。今では、請求はオンラインでできるようになっているが、受け取りは郵送か窓口のみなので、結局手間がかかる。印鑑証明は区役所にある機械で自動発行できるようになっているのだから、登記事項証明書もそうすればいいのにと思うのだが…。そもそも法人の登記事項証明書など誰でも取得できるもので、秘密情報でも何でもない。だったらデジタル証明書で完全オンライン発行にすれば、お互いのためなのにと思う。

 これも些細なことだが、同じく、一事が万事。行政の仕事はまだまだ効率化できることが多いし、日本企業は行政が大口取引先のことも多いので、行政のシステムが変われば、企業のシステムも変わるはずだ。そして、その行政のシステムを変えるのは、実は官僚の仕事ではなく、政治家の仕事なのだ。

 というわけで、いま安倍政権が推し進めている「働き方改革」は、まず、政府や地方行政の仕事の生産性を上げることに注力すべきだ。それをやらずに、企業の残業規制ばかり強いていては、生産性が上がらずに労働時間だけが減り、全体の生産額も減り、日本経済が終わってしまうことになる、と僕は危惧している。

(ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表 竹井善昭)