【クロカワ】
カンボジアで実践 集中力ワークの威力

 古着のリサイクルを全国展開するクロカワ(兵庫県高砂市)は、初の海外進出先にカンボジアを選んだ。年率7%前後の高成長が続き、国民感情も親日的だからだ。

 15年11月、同社の柴田優一・キングファミリー事業部東日本FC支援担当部課長は、店舗運営を現地スタッフに教えるべくカンボジアに降り立った。事前に、カンボジアに進出している日系企業から「カンボジア人は集中力がない」と聞かされて不安が募っていた。

 何とかしなければ、と考えて思い付いたのが、以前本社にいたとき前出の森氏に研修で教えてもらった、集中力とチームワークを養う「ボール回し」だった。「言葉で伝えても伝わらない。体感してもらおうと考えた」(柴田氏)のだ。

カンボジアのスタッフが取り組む「ボール回し」のワーク。互いに呼吸を合わせないとうまくいかない

 全員が輪になって、各自テニスボールを持ち、呼吸を合わせてボールを同時に右隣の人に投げる。投げると同時に今度は左隣の人が投げたボールを受け取る。この一連のワークを左回り5回、右回り7回、また左回り4回といった形で繰り返す(写真)。

 最初は「こんなの無理」とスタッフも不満をこぼした。ところが、ワークのたびに失敗の原因をディスカッションするうち、「できない」から「どうすればできるか」という発想に変わっていった。こうして1週間後には、失敗せずにボール回しができるようになった。

 カンボジア人はマイペースでチームワークが苦手だったが、このワークを経験してからは、自分の仕事が終わった後に仲間の仕事も手伝うようになったという。今後海外進出を考えている企業には、大いに参考になるのではないか。