◆「ワークライフ充実」群

 仕事だけでなく、家庭や趣味も仕事と同じくらい充実させていきたい人たち。彼/彼女らは、場合によっては本業の仕事に限らず、副業やボランティアにも挑戦したいとも考える。多面的な活動をする中で、豊かな人生を歩むことができ、また、そのような活動から、仕事にも好影響を与える知見や人脈が生まれてくることも多い。

 現在の日本企業では、社員が会社に長時間ずっと一緒にいる状態が基本となっており、突然重要な打ち合わせが始まる。これでは、その場にいないと大事な情報を入手できず、良い仕事ができない。リモートワークや時短勤務などでは実質的に意思決定のサークルからはじき出されてしまう。こうしたメリハリのない運営をやめて、もっと多様な人が参加できる柔軟な組織運営体制にしたほうが、企業にも個人にもメリットがある、と考えている。

◆「生活のために働く」群

 綺麗事ではなく、生きていくために働く人たち。仕事は生活のための手段だが、生活の維持には多くの時間やエネルギーを要する。特に、人材市場で評価される高い業務能力を保有できていない場合、低単価かつ長時間労働となってしまいがちだ。また、このような仕事は容易に代替がきくため、賃金も上昇しづらい。当人たちも「もっと知恵や能力をつけて、付加価値の高い仕事に従事したい」と一部で考えてはいるが、能力開発の機会も少なく、上がっていけるポストもあまりない。現業部門や若年社員を中心に上司から長時間労働を強いられることがあり、心身に問題を抱えてしまうことすらある。企業は、このような人たちの弱みに付け込んで、長時間働かせ、搾取してはいけない。労働基準法の遵守や社員の健康管理などが強く求められる…、といった主張となる。

 ちなみに、この領域からの発言は、「生活のために働く」本人ではなく、そういったことに疑問を感じ、彼/彼女らを支援する立場の人からであることが多い。

◆「少しは仕事もしている」群

 配偶者が定職についているなどで、自らの仕事によって得られる賃金に依存せずとも生活できる状態にあり、仕事に対してそれほどエネルギーもかけていなければ、やりがいなどの期待もしていない人たち。一定のお金がもらえればいいというスタンスで、税制の問題もあるため、多くの収入を求めていない(もっと上限を上げてほしいという話もあるが、これはまた別の機会に)。時間限定勤務のパート労働がここに該当する。

 しかし、最近はクラウドソーシングなどで新しい請負形態の仕事が増加し、将来的には移民などが入ってくることも予想される。そうなれば、実質的な賃金相場はさらに低下するだろう。今はいいかもしれないが、配偶者のリストラ、離婚などのアクシデントに弱い一面もある。