ですから、先ほどのセレクト感。選らばれた本が豊富に揃っているというイメージです。お客さんが目移りするような魅力的な品揃えで特徴を出そうとしています。

――やっぱり目利きは重要ですね。

昼間 はい、それと池袋を利用する人だけに訴えるのではなく、わざわざ来ていただけるような仕掛けも必要です。そのためサイン会などのイベントで来店してもらう付加価値をどれだけ高められるかです。

 たとえばコミック売り場では、原画展なども開催していますが、そうなるとその漫画家さんの好きな読者は2時間かけてでも原画を見に来てくれます。そのお客さんが来店時にマンガを買ってくれるかどうかはわかりませんが、買ってもらえる確率は高くなるし、こういうお店として認知してもらえればいいんです。リブロがあるから池袋に行こうと思ってくれる人をどれだけ増やすことができるかです。

 また、最近は著者の方に選書をお願いしてフェアをやったりします。そういう著者さんはツイッターやブログでうちの店で開催していることも広めてくれます。和田裕美さんの新刊が出た際には、サイン会だけでなく和田さんの著作でフェアをすると同時に、和田さんによる選書もフェアにして並べました。そうすると和田さんのファンの方々にうちの店に来たもらうことにつながります。和田さんの著作はどこの書店でも買えるけど、和田さんの薦める本を買うにはリブロにいかないといけない、そういう流れを作りたかったのです。一度でも来店してもらえれば、また来てみようという気になってもらえる可能性があるので。

「なんかある」と思われる書店にしたいですね。
 

※後編となる次回は、「売れる本」とはどんな本なのか、そして、いま書店ができることは何なのか、熱く語ってくれます。