【絶版】
「イノベーションに優れた企業は、イノベーションのための活動を厳しく管理する。創造性などという言葉を口にすることはない。創造性とは、イノベーションを行なわない企業が使う中身のない言葉である」(『マネジメント・フロンティア』)
ドラッカーは、イノベーションを職能の一つと見ることは間違いだという。イノベーションは、企業のあらゆる部門、職能、活動に及ぶものである。製造業だけのものでもない。流通業におけるイノベーションは、製造業におけるのと同じように重要な役割を果たす。
イノベーションに優れた企業は、仕事と自己規律について言う。それらの企業は、このプロジェクトを次に見直すべき段階はどこか、そのときまでにいかなる成果を期待すべきか、そしてそれはいつなのかを問う。
また、優れた企業は、ほぼ三年ごとに、すべての製品、工程、技術、サービス、市場を“裁判”にかける。今あらためて始めるつもりのものばかりか、今後その製品やサービスを手がけるかも問う。
それらの企業は、もはや生産的でないものを組織的に廃棄する仕組みを持つ。品質さえよければ、馬車用の鞭の市場がいつまでもあるなどとは考えない。イノベーションを仕事としてこなしていく。
「イノベーションに優れた企業は、人のつくったものは遅かれ早かれ、通常は早く陳腐化することを知っている。競争相手によって陳腐化させられるのを待たずに、自ら陳腐化させ、廃棄することを選ぶ」(『マネジメント・フロンティア』)