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経営者に「人材データを信じる勇気」がなければ
優秀な社員ほど会社を辞めていく

――タレントマネジメント大手「コーナーストーン・オンデマンド」に聞く

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【第140回】 2017年3月8日
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能力の高い社員ほど
会社を去っていく理由

コーナーストーンでは、社員の「今日の仕事の調子」をスマホから登録できるサービスを提供している。こうしたアンケートでエンゲージメントの変化を計測可能だという

 人材に関するもう1つの課題として、いま米国では「エンゲージメント」に注目が集まっています。これは社員が企業にどれだけ愛着をもっているかということですが、米国企業の調査では、わずか13%の社員からしかエンゲージメントが得られていないという結果も発表されています。経営者は、社員がどのような環境で働いていようと、パフォーマンスのマネジメント、そしてエンゲージメントのマネジメントをしっかりやっていく必要が出てきました。そうでなければ、報われないと感じた優秀な社員は会社を去ってしまうからです。

――エンゲージメントは、どうやってデータとして管理するのですか。

 まずは個人個人のデータに基づいた公正な評価が基本です。さらに、社員からの自己申告も重要なデータとなります。コーナーストーンのサービスには、社員のエンゲージメントをリアルタイムに測定するツールがあります。これはスマートフォンからでも「仕事に満足しているか、ハッピーなのか」を手軽に入力できるようになっています。

 集められたデータは人事部門や経営者が日次、週次、月次といった形で変化を見たり、あるいは部門ごとの差をチェックすることができます。このデータとパフォーマンスとの相関を見ていくことで、社員のエンゲージメントを維持する手を打つことが可能になります。

――これは、うまく数値化できるのでしょうか。社員個人ごとの基準が異なるはずです。「顔で笑って心で泣いて」の人もいれば「忙しさ自慢」の人もいますから。

 そうですね(笑)。そうした個人ごとの偏りは日本だけではなく、どの国でもあると思います。当然データ収集を開始した当初は結果もバラつきますが、調査を長く続けていくことでデータが蓄積されてくれば、分析の精度が上がることがわかっています。ここで重要なのは、社員が簡単に入力できるシステムであることです。

――人材活用に悩む日本の企業経営者は多いと思います。何から始めればいいでしょうか。

 日本の経営者の中には、タレントマネジメントというと「大きなプロジェクトが“どん”とある」という認識をしている人がいるかもしれませんが、実際は部分的な取り組みからスタートすることができます。先ほど話したアマゾンのように採用の部分から始めるですとか、ラーニングから他の領域へ膨らませるといったこともできます。あるいは、企業内の1部門で導入し、それを全社に展開していくことも可能です。まずは始めてみて、そのデータをフェアな目で評価してみることが重要です。

(取材・文/ダイヤモンド・オンライン IT&ビジネス 指田昌夫)

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