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元旦に送る年賀状や年賀メール。「明けましておめでとうございます」「今年もよろしくお願いいたします」という定型文以外に、どんな言葉をチョイ足しすればいいのだろうか。長年、言葉遣いの研究している東香名子さんに、相手の心をグッと引き寄せ、関係を円滑にするための魔法の言葉を教えてもらった。(ウェブメディアコンサルタント 東 香名子)

年賀状や年賀メール
定型文になっていませんか

 新しい年を迎えるにあたり、仕事関係の方や友人に送る年賀状や年賀メール。年賀状なら12月25日までにポスト投函、年賀メールでも年末のうちに、送信予約をする人も少なくないでしょう。

 しかしその文章、ただ「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」という定型文だけになっていませんか。

 私は、バズる表現や人の心をつかむ文章表現の専門家として、これまで数多くのコミュニケーション術を見てきました。そんな私が断言できるのは、新年の第一歩である年賀の言葉こそが、その年の人間関係を良いものにする最大のチャンスだということです。

 もちろん「明けましておめでとうございます」「本年もよろしくお願いいたします」という定型文だけでも、失礼ではありませんが、たくさんの年賀はがきやメールを受け取る相手からすると、どうしても「同じ言葉の使い回しかな」という印象を受け、記憶に残りにくいものです。ただお利口なだけの挨拶(あいさつ)は、残念ながら相手の記憶に留まることなく流されてしまいます。

 しかし「感じがいいな」と思われる人は違います。このありふれた言葉に、もう一言をチョイ足しして、人の心に響かせる技術を知っているのです。