私は以前、「ブラック企業」で働くキャリアウーマンだったので、基本は夜中まで毎日働きました。だから「子育てなんて楽勝!体力もあるし」と、完璧に子育てを舐めていました。そのため子育てのあまりの大変さに、本気で驚いたのです。そして、まさかのまったく眠れない生活。この当時は朦朧としながら、なんとか生きていた感じです。

「母親なら、みんなやってることでしょ」

 その通り、出産した人はみんなやっていることなんですよね。私も自分が夫の立場なら、そう感じると思います。「世の中、みんなちゃんと子育てしてるじゃん。それくらい当然でしょ」と。

 でも、ちょっと想像してみてください。妻が1人きりで、小さな小さな大切な命を守るために、毎日成長して変わっていく子どもと必死に向き合って、答えのわからない子育てという戦いをしているんです。妻だって初めての子育てなのに、相談する人がいなくて本当に不安なのです……。しかも、一番の相談相手であるはずの夫が残業で毎日帰りが遅いと、1人で子育てをしている妻は、本当に精神的にも体力的にも疲れ切っています。

 そこで帰ってきた夫に、今日1日の子育ての苦労を話そうとするのですが、夫も疲れているのでろくに話を聞いてくれないのです……。それはそうですよね。仕事で疲れているときにやっと帰ったと思ったら、育児の愚痴を聞くなんて……。私が夫なら勘弁してくれって感じです。

 ただの愚痴なんて聞いているほうも疲れるし、愚痴じゃなくても子育ての話はオチがないので、自分で言うのもなんですが、つまらないんですよ。私の場合は、「今日ね、児童館に行ったら同じマンションの赤ちゃんがいたの。その子、もうハイハイできてびっくりしちゃった!」とか、そんな感じです。聞いている夫も「ふーん」と興味なさそう。

 または、「今日、私は1日中寝てないの。本当に疲れてて……」と愚痴を言い始めると、今度は「じゃ、どうしたいの?」とすぐに話を遮り、解決策を出そうとしてしまう……。仕事ができる夫は、だいたいこんな感じです。仕事で疲れているし、早くのんびりして、くつろぎたいんですよね。

 その気持ち、本当によくわかります。私も、出産するまでは仕事しかしてこなかったので、だらだらと悩みを話す人は面倒でした。だから、もし私が夫だったら、同じことをしたと思うのです。それまでの私は、友達から仕事の悩みや、付き合っている彼との悩みを聞いても、すぐに「じゃ、どうしたいの?」「じゃ、別れたら?」「じゃ、転職したら?」と、話を半分聞いて、すぐに解決策を口にしてしまっていました。ろくに話も聞いていないのに……。