エアコンは、つねに30度ではなく、
ピーク時だけ完全OFFにせよ
真夏にエアコンの設定温度を1度上げることによる業務効率の低下はものすごく大きい。それはそうだろう。ムッとするオフィスで暑さを一日中ガマンし、したたる汗を拭きながらでは、業務に集中できるはずもない。設定温度が高すぎると、蒸し風呂オフィスの中で熱中症などのおそれも出てくる。
言うまでもなく、四六時中オフィスの設定温度を上げても、それだけでは「ピーク時電力を抑える」ことの解決にはならない。一日中暑い思いをしても、仕事ははかどらない挙句、今、求められている節電効果もさして上がらない。企業にとっては、節電効果よりも業務効率や社員の士気の低下などデメリットのほうが大きいのだ。
今、必要とされているのは、設定温度を「つねに1度上げる」のではなく、「ピーク時に完全にカットする(使わない)」ための対策なのだ。
ちなみに、経産省ホームページによると、設定温度1度で得られる節電効果は、エアコン(6畳用・2.2kW エアコンの場合)「10 パーセントの消費電力を削減できます」とある。しかし、それでは真夏のピーク時を乗り越えるには足りないだろう。当たり前だが、エアコンを止めてしまえば、100パーセントの消費電源の削減になる。
「ピーク時」に的を絞る、年間の最大電力使用が見込まれる真夏に絞ると、いっせいに「使わない」が、最大の節電効果になるのだ。
一日の電力需要の最大ピークは13~15時の2時間。この時間帯のエアコン使用を、企業レベルでいかにして止めるかを、今まさに、真剣に考えるべきなのである。