節電対策のヒントは、
工場にあり
お昼休みに一瞬訪れる電力需要の低下。実は、これにも企業のエアコン使用状況が大いに関係している。
確かに「昼休みはオフィス全体のエアコンを切っている」という企業はほとんどないだろう。それなら、なぜ昼休みに需要が下がるのか。
昼休みの需要低下に影響を及ぼしているのは、オフィスではなく工場なのだ。
昼休みの間、オフィスではつけっぱなしでも、工場ではエアコンも照明も電源も一斉に切っているという企業は、意外に少なくない。
業種に関わらず、工場では、従来から省エネのために独自の電力削減プログラムを実施しているところが多く、昼休みには極力、空調やエアコンを切るという習慣がオフィスよりも浸透しているのだ。
そして、ここでいちばん大事なのは、昼休みに工場がエアコンを切るだけで、全体の電力需要が目に見えて下がっているという点だ。
確かに工場といっても全体の電力需要からしたら、占める割合はわずかなものだ。しかし、その工場の、それもすべてではなく一部の工場がエアコンを切るだけで、目に見えて電力需要が下がっているのである。
ここにこそ、企業の節電対策のヒントがある。
昼休みを需要ピークの
13~15時に変更
4月8日、東証が、夏場の電力不足に対する節電対策の一環として、5月9日から実施予定だった株式市場の昼休み時間の短縮を秋以降に延期すると発表した。
ピーク時やエアコンカットに言及してはいないが、昼休みという電力需要のすき間に着目した東証の判断は評価してもいいと思う。
だが今回、私が提案するのは、もっと突っ込んだ「昼休み対策」だ。
ピークは2時間、13時~15時である。ここの電力を一気に抑える作戦だ。
その2時間を、エアコンをオフにする。つまり「昼休みを13時~15時の2時間にする」というものである。
ほとんどのオフィスでは、昼休みは12~13時の1時間だろう。だが一日の中でいちばんのピークは13~15時。
ならば、オフィスで昼休みを最大ピークの時間帯に移行してしまえばいい。昼休みを13時から15時にして、その時間帯はオフィスのエアコンを一斉に切ってしまうのだ。もっといえば、照明やエレベーターなどの電源もオフにし、「完全昼休み休業」にするのが理想である。