──ただ、危険行動や悪い行動には、短期的な蜜が伴うことがありますね。

石田 不正を働いて合格する、手抜き作業で早く帰れる、というようなことですね。しかし、その裏には、不正を働いて合格を取り消される、手抜き作業で大けがする、というような危険があることを忘れてはなりません。

 短期的な蜜を求めているうちに、必ずそうした危険に出くわすことになります。そして、その代償はとても大きいのです。

──組織のトップやマネジャークラスは、すぐにでも動かなければいけませんね。

石田 ネット社会の到来は、組織に危険ももたらしましたが、「隠せなくなった」という意味で、あらゆる組織を健常化させるいい機会だと私は思っています。

 個人的な感情や古い隠蔽体質に左右されることなく、誰にとっても明確な安全行動を共有できる組織体でなければ、小さな事故が企業の存続にまで影響を及ぼすような大きな問題に繋がる恐れもあります。いま、多くの組織が、その分岐点に立たされているのです。

 


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安全のための小さな確認を怠ったために起こる重大事故、コンプライアンス上の小さなミスが引き起こした巨額の訴訟沙汰など、企業にとっていつ何が起こるか予想できない今、組織のトップやマネジャーは従業員の行動を安全行動に変える、組織行動セーフティを身につけなければならない。その理念と実践手順を解説。

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